コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 狼たちと同居中。 ( No.54 )
日時: 2013/02/23 21:36
名前: 朔良  (ID: 2IhC5/Vi)

        特別番外編〜男子会編〜

【特別番外編とはー……、作者が無性に書きたくなった話だが、本編だと書けなそうな物、テンション高すぎる物などを書いていく番外編のことである。その初回は、女子会ならぬ、……男子会?】

「えー、読者の皆様、こんばんは。現在夜11時です。あ、僕は梅澤和希と申します。今回、特別番外編とのことですね。では、リラックスしてご覧くださいね」

 夜11時ー……、平井泉の部屋に3人の狼どもがやってきた。
「……何しにきたわけ」
 当たり前だが、一匹狼で人と関わりを持たない泉は機嫌が悪い。
「いやー、何か男子会ていうのやろうと思ったんだけど、泉はきっと来ないだろうなーと思って、アポなし突撃しちゃった」
 笑いながら話すリク。ずかずかと泉の部屋に入って行った。その後ろに真と和希も続く。
「うわっ、やっぱ気持ち悪いくらい片付いてるよなこの部屋」
 真が驚愕の顔で言う。
「何か悪い? 俺はあんたの部屋の方が汚くて気持ち悪いけど」
「てめ……」 
「ほら、今日は男子会なんだろう?」
 突っかかろうとした真を和希がなだめる。
 リクは早くも炭酸飲料と大量のお菓子の袋を開けていた。
「部屋が汚くなる。この時間に食べたくない。即、片づけて」
 泉の声が響く。
「泉ってばそんな女みたいなこと言ってるの? 真も和希も早く!」
 リクにはそんな言葉響かなかったようだ。
「今日のお題はー、『最近越してきた、あゆみちゃんについて』だよ」
 リクがポテトチップスをほおばりながら言う。
「白原さんについて、ね……」
 和希が言った。その言葉に真が違和感を感じる。
「どうした? 和希」
「僕はまだ、あまり白原さんと関わっていないからね」
「じゃあじゃあ、こっからは喋りまくろー! 小説としてはダメだけど会話文多くなるねー、きっと」
 そして、本題は始まった。
「多分、最初に仲良くなったのは僕だね。お弁当がきっかけだったなー。あの時、何で泉は持ってかなかったの?」
「別に。必要なかったから」
「ひでー」と真が言う。その言葉に和希が言った。
「真は白原さんと仲良くなったのかい?」
「ああ……、まあな。なんか、赤ずきんみたいだった」
「赤ずきん? 真が狼ってこと?」
 リクがチョコタルトを頬張りながら言う。こぼれてくる欠片を泉は拾って捨てていた。
「そうだな。なんか食べたくなる可愛さがあった」
「……真のそういうことさらっと言えるのはたまに尊敬するよ」
 和希が呆れながら告げる。
「和希は? あゆみちゃんのイメージとかさ」
「うーん……、優しい子なんだろうとは思うけれど、よく分からないな、やっぱり」
「ま、そうだよな。で、泉はどうなんだよ?」
 リクの行儀の悪さは吹っ切れたように泉は言った。
「特になんとも。……てか、そんなの思う必要ある?」
「辛辣だなあ。泉は」
「誰か、好きになっちゃうんじゃない?」
 リクの軽い一言だった。
「ないだろ」
「ないと思うけどねえ」
「何のために?」
 3人の声が続く。
「だよねえ」

 その後も、泉は嫌がったが、リクの押しに負け、男子会の夜は更けていった。

『誰か、好きになっちゃうんじゃない?』
 そんなリクの言葉。まさか本当にこうなってしまうなんて、誰も思っていなかったー……。

                  特別番外編〜男子会編〜 完