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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- ココロ×ツバサ 第2話過去・葵 プロローグ1 ( No.25 )
- 日時: 2013/06/12 20:26
- 名前: 外園 伊織 (ID: Q2Am3366)
あの日の小さかった自分が肩を震わせて泣いている。
夢を見るたび何度も何度も涙を流していうのだ。
——ごめんなさい。ごめんなさい…。
謝っても何一つ戻ってこないのに。
一緒に笑えないのに。
——ごめんなさい。ごめんなさい…。
あの日から時を止めてしまったのに。
——ほんとうにごめんなさい…。
それなのに。
——ごめんなさい。わたしのせいで…。ごめんなさい……。
自分のせいで、もう逢えないのに。
◇ ◇ ◇
鳥のさえずりで現実へと引き戻された。
ゆっくりと起き上がるとはらりと長い黒髪が頬にかかる。
また、あのときの。毎夜繰り返される。
「…夢……」
夢であって現実でもある出来事。
ぽつりと呟いた声はかすれ、視界がぼやけてよく見えない。
あの時のように。
両手で顔を覆い、瞳を閉じると一筋の滴が零れ落ちた
口から嗚咽がもれる。
「…私のせいで…っ」
葵はそれきり何も言えず、溢れる涙もそのままにした。
誰にも言えない自分の秘密。
—それは一生背負わなければならない罪なのだ。
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