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Re: 響恋〜narukoi〜 ( No.10 )
日時: 2013/04/13 22:45
名前: ミム (ID: akJ4B8EN)

4話


朝は嫌いだ。

なぜなら憂鬱な一日が始まるから。
朝なんか一生来なくていい。
そう思っていた。

だけど今日は少し違った。
なぜか早く目が覚め貴方の顔が頭に浮かぶ。
早く会いたいと不意に思った。


———学校


「おはよっうー!」


「お、はよ…!」


私はユキに挨拶をした。

昨日を思い出し私はなぜか俯いてしまった。


「陽菜〜、昨日の話聞かせてよぉ!」


「昨日?」


とぼけて見せた。
だけどユキには通じない。


「こーら、とぼけてみても無駄だよ!教えてよ〜」


「で、でもそれがはっきり決まったわけじゃないし…」


違う。
はっきり決まっていた。
だけど言いたくない。
言ってばらされたくもない。


私は昔友達に好きな人を言いばらされたことがあった。
それからというもの言わない。
というか言う人がいなかった。

友達という友達もいないし怖かった。


「あっ来た来たっ!」

「ホントだ〜」


私はそこに視線を写してみた。


「陸君おはよう〜」


「………」


相変わらずだな。
小林は女子から声をかけられても返事をすることはなかった。

私も挨拶してみようかな…?
だけど無視されたら嫌だし…
その日は一日も話さなかった。


———放課後の帰り道


私はその日も一人で帰っていた。

周りからは楽しそうな声が聞こえてくる。
だけど私はそんなものを求めているわけでもない。


そして今日もあの公園に行った。


———ギィ


ブランコの音が響く。


そのたびに期待が膨らんでいく。
今日来るかな…?


———30分経過


「はぁ」


もうあたりは暗くなっていた。
今日はそろそろもう帰ろう。


———ガサッ


「あっ!」


そこには小林がいた。