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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 響恋〜narukoi〜 ( No.33 )
- 日時: 2013/04/29 21:30
- 名前: ミム (ID: r1bonIQR)
9話
モデルをやってると知ってから1週間———
アレからというもの私は一人だが寂しくはない。
きっと小林がいてくれたからだろう。
———屋上
「あっ、ちょっ…」
「もーらいっ。」
「私のソーセージパン返してよーー!!」
そんないつも通りのやり取りをしていた。
小林は相変わらず人に無関心だ。
そんな小林の事がたまに心配になることがある。
「ねぇ、」
「ん?」
「小林はどうして私以外に友達作ろうとしないの?」
———ガサッ
小林はソーセージパンを袋に入れると私の目を見た。
その目はなぜかものすごく冷めていて、温かい。
「何で?」
「え、別に…気になっただけ。」
小林は私の事をどう思ってるのだろう?
友達それとも————
どこか期待している自分がいる。
私だけの小林でいてほしい。
なんて思っていたのだから。
———プニッ
また小林が私の頬を摘む。
「いて」
私は感情がないような声で言った。
「変な顔。」
「むぅーーーひどい。」
「嘘、可愛い。」
「えっ…」
きっと私の顔は真っ赤だろう。
「何で赤くなってんの?」
「え!?」
自分の手で頬を隠すと目をそらした。
「馬鹿」
誰にも聞こえないような声で呟くと心の中にその気持ちに鍵をかけた。
そう。
私達は『友達』なのだから。
9話 完
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