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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 響恋〜narukoi〜 ( No.84 )
- 日時: 2013/05/27 22:13
- 名前: ミム (ID: r1bonIQR)
20話
陸にそんなことがあったんだ…
私何にも知らないのにひどいこと言っちゃった。
最低だ———
———ポタッポタッ
涙がゆっくり流れる。
「陽菜……?」
私は制服で気付かれないように目をこすった。
これ以上陸に気を使わせたくないの。
だって陸が一番苦しかったのに、私が泣いたら———
———ギュッ
陸は私を抱きしめた。
包み込むように———
「……っ、り、く…?」
「ごめん、陽菜っ。俺お前にひどいことした…」
違うよ…
陸は何もひどいことしてないよ。
何で陸が謝るの…?
私が悪いのに何で謝るの———?
「うっ、…りっ、く…っは何もわるっく…な、いの…っっだか、らあやま————」
———ギュウ
少し抱きしめる力が強くなったような気がした。
苦しい…
だけどこの手から離れてしまうと陸が消えちゃうようで怖かった。
「ごめん、ごめん…ごめん———」
陸は私に何回も謝る。
「馬鹿っっ…、謝らないでよっ…!」
「ひ、な………」
「じゃなきゃ泣いちゃうからっ…」
「ふっ、もう泣いてるじゃねーかよ…」
「な、泣いてないっ///」
これで仲直りしたのかは分からない。
だけど少しずつ離れていた距離が縮んで言っているような気がした。
20話 完
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