コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: まるで磁石 ( No.55 )
- 日時: 2013/02/26 06:23
- 名前: 春歌 (ID: cakHq5Qm)
作者、久々の早起きです(笑)
翌日。
「なー、俺のメール、真奈実んとこ、いかなかった?」
今日は余裕で学校に着いたあたしに、藤村くんは問う。
「え? 来てないよ!?」
嘘、何で来ない!?
この間の、ルミちゃん現象……?
「ちょっと、ケータイみして」
「うん」
フレディを、藤村くんが受け取る。
「……なあ、真奈実。俺のアドレス、登録されてないよ」
アドレスすら登録されてない!?
「うそっ!!」
「しかも、着信拒否になってるから」
知らないアドレスからメールが来ないようにしたり、特定の人のメールを来させないようにする
もが、着信拒否である。
「うそでしょ!?」
「ドジっつうか、なんつうか」
もっと、うそである。
好きな人のメールアドレスを、登録しないはずはない。
あたしがアドレス入力かなにかでミスしたとして、あたしはいままで、いちども着信拒否を設定
したことがないのだ。
「まあ、ちゃんと登録しておいた……、あれ!?」
「今度はどうしたの!?」
いやな予感しかしない。
画面を覗きこむ。藤村くんまで、ヤバイ、という顔をする。
フレディが、アドレス登録の画面で、完全にフリーズ。
「ごめん、真奈実……」
「……いや、最近ずっと調子悪かったから…。帰りにケータイショップ寄るから、心配しないで」
フレディ、フレディ……ちょっと、死なないでよ、お願いだからっ…。
トイレに立つ振りをして、フリーズしたままのフレディを抱きかかえる。
画面に触り続けても、なにも反応がない。
どうしよう、どうしよう……。
「真奈実!! どうした!?」
あとを追ってきたルミちゃんが、駆け寄ってくる。助かった…!!
「ルミちゃん、フレディが……」
「ケータイ? どうしたの?」
泣きそうになりながら、フレディをルミちゃんに渡す。
ルミちゃんは、フレディの電源を落とし、
「大丈夫。こうして、もう1回つけると……」
言いながら、フレディの電源をオンにしてみせる。
ついた……!!
フレディ……。よかったー…!
フリーズが、解消される。
「でも最近、いろいろ調子悪いから、帰りにケータイショップ寄ろうか? あたしも行くから」
ルミちゃんから、フレディを受け取る。
「うん、ありがと」
あぁ、よかった。
安心したら、涙がこぼれて、フレディの画面にあたる。
「ごめん、フレディ」
手で、画面についたなみだを拭う。
ルミちゃんに何か言われるかと思ったけれど、ルミちゃんはにっこり笑って「行くよ」と、あた
しを促すだけだった。
その日の帰りに、ふたりで、ケータイショップに立ち寄った。