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episode0「桜並木。」〜遥side〜

私の学校は、正面玄関から体育館に向かって通称「桜アーチ」がある。
桜が満開で花びらが落ちていく頃————。

「もう中学生かぁ−。早いなぁ…。」

「そうね、勉強頑張りなさいよ？あんた、頭悪いんだから、少しは…。」

「はいはーいｗ」

母からの言葉を適当に交わし、その頃初めて見た桜並木を見入っていた。すると—————…

ドンッ!!

「−っ。」

「すっ、すみません!」

私はその場から、ダッシュして離れた。

どうしよ。今の先輩？だとしたらまずいよね。

そんな時、後ろから肩をたたかれた。

「!!」

「ごめんごめん。驚かせた？これ、君のだよね。」

彼の手のひらには、ピンクのハンカチ。

「どっ、どうもありがとうございましたっ！」

この出会いが始まりだった。

後の大きな悲劇になるとも知らずに—————————。