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Re: トライアングル。【ついに参照300突破!ありがとう(泣】 ( No.62 )
日時: 2013/03/27 11:53
名前: 奏 (ID: M0JnTv1.)

episode16「親友が恋敵に代わった日。」〜遥side〜

「…。海って彼女いるの?」

「そうみたい。これを見る限りはね。」

瞬く間に海の彼女は誰かということに皆が夢中になった。

あの海に彼女ができたんだって。

えーなんかショック…。

でも、海が付き合うならやっぱり2年生で可愛い子でしょ?誰だろう…。

そんな小言を言い合っていた6月の梅雨があけ、7月が来た。

夏が来た。

今思うとあの夏は絶望的な夏だったかもしれない。

「はーるっ。一緒にお昼食べない?」

久しぶりに真衣がお昼に誘ってくれた。

「ねー。やっぱり海の彼女って情報通の舞にも分からないの?」

ランチタイムも終盤になってきた頃、私は切り出した。

真衣の動きが固まった。

「どうしたの?」

「…。はる。私言わないといけないことがある。」

「どうしたの?急に改まっちゃってww」

「あのね…落ち着いて聞いて。私……海の彼女、誰か知ってるの。」

「えっ!?誰々?」

「……私。」

「…えっ?」

「私よ…はる。…私が海の…彼女なの。」

「えっ…嘘でしょ?wwまた、冗談とか言って———————。」

そう言って私は真衣の顔を見たが…

真衣は本気のままだった。

「えっ…本当なの?」

「今まで黙っててごめん。」

「ちょっと…冗談でしょ?…冗談だって言ってよ…。」

「…」

「言ってよ。冗談だって言ってよ!!」

真衣の頬から涙が流れた。

「ごめんねっ…。本当ごめん。私、はるが海の事好きだって知ってたのに、自分でこの気持ちを止められなかったっ…っ。本当はあの時電話もらってたときにはもう…もうっ…。」

「…いいよ。そんな謝られてももう、真衣は海の彼女だから。その事実はどうにも変えられないんだよ。」


「ごめんっ…はるっ。ごめんっ…!」

「だから、私たちはもうおしまい。このまま、友達としてもギクシャクするだけだから。…じゃあね。」

激しく号泣している真衣を置いて私はその場から立ち去った。

なぜ、あれほど冷静でいられたのだろう。

そう思ったら、涙が出てきた。

止めようとすればその分溢れてくる。

誰も悪いことはしていない。

だから、誰も責められない。

「…しつれんかぁっ…。」

親友が恋敵【ライバル】に変わった日。

それは梅雨明けの7月の暑い日たった。