コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: トライアングル。【参照600記念みたいな感じで夏休み突入!】 ( No.88 )
- 日時: 2013/04/13 22:27
- 名前: 奏 (ID: M0JnTv1.)
【サマーキャンプの恋模様】episode2
「っとっと…。スーツケースどこ置こう…。」
この声は聞き慣れた海の声。顔見なくても分かる。
新聞部のスキャンダルで発覚した。真衣との交際が発覚したぐらいからまともに顔さえ見合していない。席替えでも離れてるし。まぁ、気まずくないからいいんだけど————。
今日は珍しくバスが混み合ってる。今日は夏休み始まって最初の週末だからやっぱり家族連れが目立つ。
多分、でかいスーツケースあるから立つんじゃなくて座るよね。なるべく遠いところでお願いします!って言っても空いてる席は———————。
な、な。
…私の隣しか無いじゃん!!嘘——!!
海はああ見えてこういうときは単細胞だから…まさかとは思うけど…
…出たっ!こっちに向かって来てるじゃん————!!気まずさマックスなんですけどっ!どっ、どーしよー!?
「…あれっ、遥?」
「あっ、う、海かぁ。」
なんとなく偶然という感じを装ってごまかす。
「ごめ、空いてるの此処しかないんだよね。荷物が荷物だからさ、遥の隣座っていいかな?」
そりゃそうでしょうよ!
…駄目って言いたいけどこの状況では言えないよなぁ…。
「あ、うんっ!ど、どーぞっ!」
「んじゃ、遠慮なく。」
お互いに不穏な空気が立ち込む。
……何これ——————!!
気まずい!とにかく気まずい!!
それにお互い私服だとなんとなくめちゃ気まずい!
一種の拷問ですか————!!
「…遥ってさ、メガネかけるの?授業中とか学校じゃ見ないよね。」
そーだ。今日メガネで来てたんだった。いつもは家でしかかけてない。そんなに目は悪くないけど。
「う、うん。いつもは裸眼でもいいんだけど今日はなんとなくメガネの気分だった。そんなに度数入ってないけどね。」
「へーそうなんだ。俺目は良いほうなんだよね。」
「そんなに悪くないよ、私も。」
あれ?何か普通に話せてません?
「遥の私服はじめて見たなー。こんな服着るんだ。」
「ま、まぁね…。」
今日はマキシスカートにショート丈のトップスにスニーカーだ。髪は最近伸びてきたので後ろで小さくひとつ結びにしてある。ただ単に手抜きなんだけどな…いや、もちろん勝負服とかもちゃんとあるよ!!
「今日海に行くって行ってたじゃん?だから涼しい方がいいかなーって思ったから。」
「へぇー。俺なんて手抜きだ。だけど…。」
「だけど?」
「遥…可愛い。」
一瞬で顔が火照った。
とは言っても私の心はやっぱり複雑だった。