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19話


「ごめんっなさっ、…い…ッ泣いてっ、ばっ…か、りでっ」


「リマちゃん…」


お兄ちゃん…お兄ちゃん。
どうして届かないの？
こんなに好きなのに…
ずっと貴方だけを見てきたのに…。


———フワッ


「りっ、利樹さ…んっ？」


利樹さんが私を抱きしめた。


「リマちゃん…俺じゃダメ…？俺じゃ葵の代わりになれない…？」


利樹さん…
もし私がいいよって言ったとしても私はお兄ちゃんが好きなんだよ。
それでもいいの…？


「でも私…お兄ちゃんが好きなんだよ…？それでもいいの？」


「ッ———！それでもいいよ。リマちゃんが俺をいつか好きになってくれれば…だから、それでもいいから…」

「利樹さん…本当にそれでいいの…？」


「あぁ…リマちゃんが少しでも俺を見てくれるなら…」


「いいよ…」


「え…」


「いいよ。私はこれからは利樹さんだけを見るから…」


「本当に…？マジ嬉しい…ッ———！」


こんなに私を思ってくれて優しい人他にはいないと思った。
この人ならきっといつか忘れさせてくれるとそう思ったんだ。