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20話　葵サイド


今日の学校はにぎやかだった。
いや、にぎやかというよりうるさい。


———キャーーーー！！


たくっ、うるせぇな。
俺はそこにふと視線を移してみた。


「ッ———！」


そこには手をつないだ利樹とリマがいた。


何でだよっ———
リマあいつのこと好きだったのか…？
なのに俺はリマのことばっかり悩んで…馬鹿馬鹿しい。


———ブチッ


その時俺の中で何かが切れた。


「今日はにぎやかね。」


隣にはいつの間にか春美がいた。


「あぁ。」


「意外にあなた冷静ね。」


「そう？別に、あいつらが付き合おうと俺には関係ないし。」


「ふ〜ん。ねぇならあの2人があんなことやこんなことをしても？」


「ッ————！うるせぇっ…！」


「私が忘れさせてあげようか？」


「！」


その時唇に生ぬるい何かが当たった。


「じゃあね。」


———パシッ


俺は春美の腕をつかんだ。


「お前、忘れさせてくれるんだろ？」

「えぇ、そうだけど…」


「ならお前はあんなことやこんなことしてくれんの？」


「え…？す、するに決まってるでしょ！けどあなたはしたくないんじゃ————」


春美の腕をつかんだまま俺は走った。


「はぁはぁ———葵くん、どうしたのっ？ってえ…ホテル…？」


「行くぞ。」


お前は忘れさせてくれるんだろ？


20話　完