ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

これは夢…？妄想…？
それとも現実？


———プニッ


自分の頬をつねってみた。


「いたい…？」


痛いのかも分からない。
だけど感触があるの。


「夢じゃないよ。」


利樹さんが呟いた。


「夢じゃないの…？」


「うん。」


そういうと利樹さんは私に近づき頬をつねった。


「いたたっ」


「ねっ。」


「はい…ッそうですねっ」


「どうして泣いてるの？」


まるで誰もいないような感じだった。
学校にはみんないるのに…


「嬉しくてっッ————「泣かないでよ。」


「ふぇ…？」


「俺も泣いちゃうじゃん…」


「利樹さん…。私利樹さんが好きです。最初は正直苦手だったの。だけどね変わっていく貴方を見ていく内に私はいつのまにか好きになってたんだよ。」


「………」


「ちゃんと届いてる？伝わってる…？」


「うん。伝わってるよ。」


利樹さんは私を抱きしめた。
暖かい。


「俺も最初は遊びだった。だけどリマちゃん、いや、リマを見ていく内に頭の中がリマのことだらけでおかしくなりそうだった。だからあのときはひどいことをした。どうしても自分のものにしたくて。
だけど俺はその後後悔した。
こんな気持ち君が初めてだった。
俺もリマが好きだ。」


———ポタッ


涙があふれてくる。

違うの。
嬉し涙なの。
嬉しくて心が温かくて幸せで怖いくらいだよ。


「ありがとうッ。利樹くん。」


その時初めて私は彼を『さん』づけで呼ばなかった。
このとき心が通じ合えた瞬間だった。


だけど気づくのが遅かったんだ。
そこにお兄ちゃんがいないことに…


27話　完