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1話


「いってきまーす！」


おはようございます！
私は佐和リマです。


「おい、リマ待て。」


こちらはお兄ちゃん。
私の自慢なの。


「もう早くしてよぉ！」

「リマは相変わらずだな。」

「ぷぅ、からかってるのぉ？」


そんないつものやり取りで私達は学校に急いで走って行った。


———放課後


その日は雨だった。

傘が無いよぉ…
持ってきていれば良かった。


「佐和！」


振り返ってみると、あまりしゃべったことのない同じクラスの光輝君がいた。


「傘一緒に使う？」


私は素直に嬉しかった。


「うん！ありがとう。」


優しいなぁ、光輝君。


「あのさ…お前って好きなや————」


———パシッ


その瞬間、私は誰かに腕を掴まれた。
それは紛れもなくお兄ちゃんだった。