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Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜 ( No.29 )
日時: 2013/06/09 11:30
名前: ミム (ID: r1bonIQR)

6話


「でねでねっ———」


こんにちは。
佐和リマです。知ってると思いますが…

ただいま音葉ちゃんの彼氏の話を聞いています。


「もーうホントうちのダーリンたらかっこいいの!」


うんうん。
何となくうなずいている私だけど音葉ちゃんの話は好き。
もっと言うと音葉ちゃんが好きなの。


「そういえばさリマ好きな人とかまだいないの?」

「え…んー」

「何々その顔はいるなぁ!」


いるよ。
お兄ちゃんが好き。
でもそんなこと言ったら変に思うよね。
私達は兄弟なんだから…


「ねぇリマ教えてよぉ!」

「お、」

「お?」

「お兄ちゃんなの。」

「えー、そんなんだ!いいじゃんいいじゃん。」


音葉ちゃん…
私がそのことに気にしていることを気づいてくれて優しく———


「うっ…ヒック」

「な、何々??どうしたの、リマ!?」


私は思わず嬉しくて涙が出た。
よかった…よかった音葉ちゃんが友達で…。


「ううんなんでもないっ!」

「ふぅん、でもねリマ。何かあったらあたしに話すんだよ。あたしはいつでもリマの味方だから。さ…」

「うん!」


———放課後


「いてっ!」


私は誰かとぶつかってしまった。
いたたた———


「ごめんね…!大丈夫?」


そこにはとてもきれいな女の人がいた。
先輩だろう。
私は見とれていた。


「はっ!だ、大丈夫です!こちらこそすみません。」

「ううん、私も急いでたから…貴方1年生?」

「はい!」

「そう、私は春美。春美でいいからね。」

「せ、先輩呼び捨てはきつ過ぎますぅ…でもありがたく頂戴します!」

「ふふっ、かわいいわね。ところで貴方のお名前は?」

「佐和リマです!」

「佐和?もしかして葵君の妹?」

「はい、なんか照れちゃいますね。アハハ…」


「春美———!!」


誰かが春美先輩を呼んでいた。


「あ、じゃあねリマちゃん!また会いましょう。」


私達は大きく手を振った。
いい先輩だなぁ。
可愛くて、頭もよさそうで、性格もよくて———


「はぁ…」


何か私はどこにとりえがあるのだろう?
そんなことを考えながら今日も愛しい君のもとへ帰る。


6話 完