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Re: 禁断果実〜兄弟恋愛〜【10話書き直します><】 ( No.56 )
日時: 2013/03/24 11:58
名前: ミム (ID: akJ4B8EN)

10話 春美サイド


『昔々、それはそれは誰もが見とれる綺麗な少女がいました。少女は心の優しい持ち主でみんなから好かれていました。ある日買い物に出かけた時とても美しい男の人がいました。少女は一瞬で心を奪われてしまいました。そして————』


「素敵な話〜」

「でしょ!お母様もこのお話大好きなのよ。」



「へぇ〜、私もいつか出会えるかな?」

「クスッ」

「もぉ、お母様今笑ったわねぇ。」


「あら、ごめんなさい。春ちゃんなら出会えるわよ。」

「ホント?」

「ええ、お母様が約束してあげる。」


———それから10年後(高校2年生)


「キャ—!春美先輩よ!」

「かわいい〜、私の顔と交換してほしいくらい!」

「なぁにバカげたこと言ってるのよ。春美さんは顔だけじゃなく心も美しいんだから。」


———ドスッ


「あらっ、ごめんなさい。」

「は、春美先輩!?こちらこそごめんなさい!」


「いいのよ。可愛い1年生ね。フフッ。それじゃあね!」


「ほら言ったでしょ〜!心も美しいって———」


心も美しい?
当たり前じゃない。
私はすべて完ぺきでありたいのよ。

私は春美。
お父様、お母様は弁護士。
勿論家はお金持ち。


「見ろよ!春美ちゃんだ!」

「うわっ、やっべー!今日も可愛ぇ。」


みての通り誰もが振り返る美貌も持ってるのよ。
だけど私には昔から一つだけ足りなかった。

それは『心』

自分でも思うくらいにけがれている。
だからそこは作りなおした。
美しい心にね。


———ドスッ!


いたた…
今日は何回人にぶつかるのよたくっ———

あらダメだわ。
謝らないと…


「ご、ごめ————」


言葉が失われた。
そこには…


私の王子様がいた。


紺色の綺麗な髪。
黒くて真っすぐな瞳。
整った顔。
綺麗…


「————いっ!おいっ!」


ハッ!


「大丈夫か…?」

「だ、大丈夫、で、す…」

「よかった。ごめんな、じゃあ———」


えっ…?
それだけ?
私を見て何とも思わないの?
そこら辺にいる男子なら真っ先に私に食いつくのに…


「あの!」

「?」


思わずひきとめてしまった。


「お名前は…?」


「名前?お前は?」


私の名前を知らない?


「2年の春美よ。」


「俺は佐和。」

「下のお名前は?」


「葵。」


見つけた、ワタクシのお・う・じ・さ・ま♪
絶対手に入れてみせるわ。
佐和葵。