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11話


お兄ちゃんが彼女を作ったと知ってから1週間。
私は無気力です…


「り、リマ！？大丈夫？」


「ふぇ〜？？おはよぉ音葉ちゃん。」


「『ふぇ〜？』ってリマホントに大丈夫？？ものすごく痩せたよ。」


「ホント？ダイエットの効果が出たのかな？？」


ダイエットなんて嘘。
食欲がなかっただけ。
だけど音葉ちゃんに心配かけたくないよぉ…


———ぎゅっ


「お、音葉ちゃん…？」

急に音葉ちゃんが私を抱きしめた。
それにしても———


「暖かいなぁ〜。」


「そうだね。ぎゅうってすると暖かいね。」


「うん。」


暖かいｙ…


———ポタッポタッ


やだっ、涙が出てくる。
泣くなっ！泣くな私！


「無理しなくていいんだよ。リマ、ごめんね。あたし何も気づいてあげられなかった。友達なのに…ごめんね…っく、」


泣いてる…？
泣いてるの？
何で、音葉ちゃんが泣くの？


「お、音葉ちゃ———「ごめっ…あたしが泣いたらいけないのにっ…。ごめっ、…ん」


音葉ちゃん…


あぁ、今わかったの。
友達って楽しいときだけ一緒にいるんじゃなくて悲しいときも一緒にいるんだなぁって…
今わかったよ。


私、幸せだったんだなぁ。
友達もいて、家族もいて…。


それから私達は抱きしめたまま一緒に泣いた。


———夕方・家


「お帰り、お兄ちゃん！」


私が今できることは普通にいることなんだ。
いつかあなたからの恋心を忘れられるまであと何日かかるんだろう？
だけど私みんなのために頑張るね…。


11話　完