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16話　利樹サイド


女なんてクソだ。
性格なんていい。
ただ求めているのは顔だった。


———3か月前


「利樹、俺ら今日も合コン行くんだけどお前も行くだろ？」


「あぁ、行くに決まってんだろｗ」


「お前ホント女にもてていいよな〜。俺1回でもいいからお前になりたいよ。」


「そう？ならなってみる？」


「いや…冗談だからｗしかしお前今まで何人と付き合ってんだよ？」


「えーと…一人二人三人—————」


「あーもういいよ。でもヤッて捨てるんだろ？」


「うん。」


「『うん。』ってお前…それ女が聞いたら泣くぞ。」

「別にどうでもいいし…」


そして夕方。
待ち合わせ場所に着くといつも通り俺は今日ヤる女を探していた。

しかし、どれもそこら辺にいる女だよな。


「ごめんなさい、遅くなってしまって…！」


そこには誰もが見惚れる可愛い子がいた。
小さくて思わずギュっとしてしまいたくなるような…

そして俺はリマちゃんを連れて合コンから抜け出した。
突然リマちゃんは倒れ俺は抱きかかえラブホテルに連れて行った。


「むにゃむにゃ…」


こ、コイツ可愛すぎだろ。


俺はシャワーを浴びに行こうとした。
その時———


———ギュっ


えっ…？


「行かないでぇっ…」


リマちゃんが俺の腕袖をつかみそういった。
コイツもしかして誘ってる？
やっぱりこいつもクソ女だったか。


「おにぃ、ちゃ…ん」


お兄ちゃん？
兄がいるのか？
コイツもしかして…兄が好き————


その時初めて感じた胸の痛み。
これが『嫉妬』…？
どうしてもリマちゃんを手に入れたい。

この時始めてわかった。
俺はリマちゃんが好きなんだって。
俺は初めて恋をした。