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18話　葵サイド


———ガシャーーン


「ちきしょーー…！」


たまたまそこにあった空き缶を思いっきり蹴っ飛ばした。


しかしなんでリマが利樹の方なんか持つんだよ…
リマは利樹の事が好きなのか？
いやそれはない…
けど何であの時2人でいたんだ…？

でももしリマがあいつを好きでもあいつはリマの事を好きなのか？


でも利樹の目は本気だった。
いつも警戒しているあいつの目はリマを見る時だけ————


「なんでっ…！何で届かねぇんだよ…ッ————「葵君…」


そこには春美がいた。


「…………なんだよっ。」


「別に何もないわ。ただわたく————「ならどっかいけよ。」


「あお————「どっかいけっつてんだろっ…！ツ———！」


なぜか涙が出てくる。
何でこんな女の前で泣かないといけないんだよ。


———フサッ


「よしよし————」


春美は俺の頭を優しく撫でた。


「な、なにするんだよっ///！」


「よしよし…」


コイツ俺の声聞こえてんのか？
春美はまるでどこか遠い過去を思い出すように目を斜め下に向けていた。


「お母様がね、こうやってよく私の頭を撫でて下さったの。よしよしって…」


「………」


どうしてか言葉が出てこなかった。
いつもと違うようで…


「クスッ。私はいつも言ってたわ。『お母様私は犬じゃないのよっ！』って、ね…って私何をやってるの！？……べ、別に私は励まそうなんてしてませんわよっ！」


「いいな。」


「え…？」


「なんか今日のお前いいな…」


「ば、バカっ言わないでよっ///！」


「お前そういう所直したら可愛いのにな。」


「もぉーー！葵く〜〜ん！！」


いつもと違う風景。
俺達はこれからどこに進むんだろう？


18話　完