コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

真夜中の図書室3 ( No.10 )
日時: 2013/04/29 15:21
名前: ゴマ猫 (ID: Mx34GQYU)

一悶着あった後、俺はようやく待ち合わせの校門前に着いた。
校門に目をやると、既に赤坂は待っていた。

「遅せーぞ水島」

「悪い。出掛け際に色々あってな」

「ところで鍵閉まってんだろ?どうやって中に入るんだ?」

「ふふん案ずるな。鍵は今日警備室から拝借してきた」

「お前……それは犯罪だぞ」

「そう言うなって〜。明日ちゃんと返すんだから」

閉まっている扉を開け中に入る。
誰も居ない真っ暗な学校は気味が悪い。

信じた訳ではないが、確かにこんな雰囲気なら、お化けが出てきたってのも頷けるかもしれない。

「んでそのお化けってのは、図書室に出るんだよな?」

「そうだ図書室は1階だから、この階だな」

俺達は非常口のライトぐらいしか、明度がない廊下を歩いていく。

「ここだな」

そう言うと赤坂は、図書室の扉を開けた。

「…………」

何も居ない。
月明かりに照らされた無数の本棚。
いつも静かな場所だが、より一層の静けさを醸し出していた。

「何もいねーな」

赤坂はボソッと呟く。

「だから言ったろ?お化けなんて迷信だって」

「まだ詳しく探してないから分からねーだろ」

ずかずかと中に入っていく赤坂。

やれやれ。
夜の校舎で何をやっているんだ俺は。
妹にとんでもない誤解をされているかもしれないと言うのに……。

ふと気付くと、正面窓の白いカーテンが風で揺れていた。

「赤坂は別方向探してるみたいだし……ってか何で窓開いてんだ?」

そんな疑問を抱きつつ、そこへ足を進める。
すると黒い人影見えた。

「じ、冗談だろ?そんな事ある訳ないっての」

とりあえず行って確かめれば、見間違いだって確認出来るよな。

「よしっ!!」

窓際の近く、月明かりが一番当たっている本棚の所。
ゆっくりと近づき、人影が見えた所を見てみる。