コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

真夜中の図書室5 ( No.12 )
日時: 2013/04/29 15:35
名前: ゴマ猫 (ID: Mx34GQYU)

「へっ?本当だ何でこんな夜に?」

これも先ほどと同じ展開。
しかし違うのは、さっき赤坂が大声出したせいで、巡回していた警備員が気付いてしまったらしい。

コツコツと言う足音と、懐中電灯の明かりがこちらへ向かってくる。

「おい……!!今は質問してる場合じゃない!!マジで見つかる」

「うっ……しまった。声がデカかったか」
自覚はあったらしい。

「見つかったら説教じゃ済まない……仕方ないから窓から逃げるぞ!!」

そう言うと俺は窓を開け赤坂を先に出す。

「おい、お前も逃げないとマズいぞ」

「私は別に……」

「んな事言ってる場合じゃないって」

謎の少女の手をぐっと掴み、窓から脱出。
走り出すと後ろから声が聞こえてくる。

「コラーッ!!お前ら!!」

ヤバい、ヤバい。
捕まったら打ち首もんだ。

「きゃっ!?」

少し後ろで謎の少女が、転んでいた。

「大丈夫か?!」

「わ、私運動は苦手なのよ……」

息を切らしながらそんな事を言う。

「仕方ないな……乗れよ」

このままでは捕まってしまうので、背中におぶさるように促す。

「……でも」

「良いから。急がないと捕まるぞ」

半ば強引に背中に乗せ、ダッシュでその場を立ち去るのだった。

「はぁっ……はぁっ……」

何とか近くの公園まで逃げ切り、肩で息をしていると。

「あなたってお節介な人ね」

おいおい……助けたのにそんな言いぐさはないだろう。
だが疲れて、それどころじゃないので一言で返す。

「ほっとけ」

「……でも助けてくれて嬉しかったわ‥その‥ありがとう」

む……素直に褒められると照れるな。
ってかさっきまで逃げるのに必死だったから、よく顔見てなかったけどかなり可愛いな。

長く綺麗な黒髪に、白い肌、華奢な体、そして独特の雰囲気がある。

「……良いって気にすんな」

「あなたの名前は?」

「俺?俺の名前は、水島真一 お前は?」

「私の名前は、木原日向 また機会があったら会いましょ」

そう言うと木原は、闇の中へ消えていってしまった。

そういや、あそこに居たって事は同じ学校だよな?
聞いときゃ良かったかな……。

その後帰った俺は、妹の厳しい追求が待っていた。
何とか誤解は解けたが、何で俺は妹に咎められてんだろうか?

赤坂の奴は、1人でさっさと逃げやがったので、明日一発殴らせてもらおう。