コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

幼少の思い出 ( No.20 )
日時: 2013/04/29 15:54
名前: ゴマ猫 (ID: Mx34GQYU)

夢を見ていた。

小さい時よくかおりと、一緒に近所の公園で遊んでいた時の事だ。
当時の俺は野球が好きで、よくかおり相手にキャッチボールをしていた。

「真ちゃんもっと優しく投げてよ〜」

「これ位取れないと、プロにはいけないぞ」

「私プロにはいかないもん」

そう言いながら、かおりが投げ返したボールはそれてかなり後方にいってしまった。

「あぁ〜何やってんだよ」

「ごめん真ちゃん」

ボールを取りに行くと、道路に小さな猫が居た。親猫とはぐれたのか?
そんな事を思っていると、車が来てしまった。
俺は慌てて道の端にやろうとする。

「ホラッお前向こう行かないと危ないぞ」

子猫は逃げない。
どこか怪我でもしているのか?
仕方なく抱えてどかそうとすると、捕まえられてビックリしたのか、暴れてまた道路の真ん中へ戻ってしまう。

「あっ危ないっ!!」

そう思った時、俺はとっさに子猫をかばっていた。

キキィッ!! ドンッ!!

「真ちゃん!!」

「大丈夫か!?君!!」



気付くと俺は病院のベッドに居た。

「真ちゃん!!良かった……すっごく心配したんだよ。このまま真ちゃんが目を覚まさなかったらどうしようって!!」

かおりは顔を涙でいっぱいにして、ぐすぐすしていた。

「……猫は?」

「大丈夫。ちゃんと無事だよホラッ」

かおりの腕の中には子猫が抱えられていた。

「真ちゃんらしいけどさ……もうこういう無茶はしないで」

幼なじみの涙にズキズキと痛む胸。
その時子供ながらに思った。
もう二度とかおりを泣かせたくないと。