コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 日々の小さな幸せの見つけ方 ( No.3 )
- 日時: 2013/04/29 14:44
- 名前: ゴマ猫 (ID: Mx34GQYU)
春……新しい季節を迎えた。
桜が咲きそして散り、うだるような夏が来て、枯れ葉散る秋、透き通る空の冬。
1年と言うものは早いものだ。
今年は何が起こるのだろう?
ジリリーン、ジリリーン!!
けたたましいベル音が鳴る。
「ん〜……後5分……」
そう呟きながら目覚ましのベルを止め、布団の中にもぐり込む。
このウトウト感がたまらない。
しばらくすると、階段の方から声が聞こえてくる。
「お兄ちゃ〜んまだ起きてないの〜?遅刻するよ〜」
この声は妹の声だ。
トントンっとノック音が鳴る。
「入るよ〜」
ガチャっ言う音がして、トタトタと足音が近付いてくる。
「あ〜やっぱりまだ寝てる!!早く起きてよ〜」
ユサユサと体を揺すられ、ようやく瞼を開ける。
「おはよう」
「おはようじゃないよ〜。まったくいつまで寝てるの?」
妹(こいつ)の名前は 水島優子
ボブカットの黒髪に、童顔、低身長
でまるでどこかのゲームに出てきそうな
中学二年生である。
朝部屋に起こしに来るなんて全国の妹好きなら、泣いて喜びそうなシチュエーションだが、実際はそんな事はない。
何故なら俺は妹萌えではないし、シスコンでもない。
実の妹にそんな事をされても
“うっとうしい”の一言だ。
別に嫌ってる訳じゃないけど、兄妹ってそう言うものなのだ。
一応俺の自己紹介もしておこう。
俺の名前は 水島真一 平均身長、平均体重、平均学力の高校二年生……以上。
自分で言うのも何だが本当に特筆すべき所がない。
「もぉ〜、聞いてるのお兄ちゃん?」
「聞いてるって……ってか時間ヤバいな」
「お兄ちゃんが早く起きないからでしょ?」
「なぁ優子俺も高校生なんだし、わざわざ起こしに来てくれなくても良いんだぞ?」
そう俺が言うと、妹はしかめ面になる。
「だって私が起こさないと起きないじゃん」
どうやら妹の目には、兄が相当の寝坊助に見えているらしい。
今後の為にも強く否定させてもらおう。
「起きるっての!!」
かなり強めの否定をしたら、ますます妹の顔がムッとなる。
「絶対起きないよ!!」
不満ですオーラ全開にして言う優子。
何をこんなにムキになってるのか分からないが、妹にとっては『私が起こさないと、お兄ちゃんは起きないんだから仕方なく起こしてる』っと言いたいのか?
だとしたらすげー余計なお世話である。
ふぅっと心の中で溜め息をつく。