コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

幼なじみ(かおり編) ( No.41 )
日時: 2013/04/29 17:26
名前: ゴマ猫 (ID: Mx34GQYU)

玄関を開けてリビングに着くと、帰りにスーパーで買ってきた、食材が入った袋をテーブルの上に下ろす。

「……ちょっと、買いすぎちゃったかな?」

今日は何だか、1日モヤモヤしていた。
それと言うのも真一が三波さんと、仲良くお昼なんてしているからだ。

あんなに嬉しそうにしちゃってさ。
まぁ別に、真一が誰とお昼を食べようと、私に了解を取る必要なんてないから、仕方ないのだけど。

「……でも、心配してたんだから」

そんな事を1人呟く。
いけない、いけない。
最近私ネガティブになってるな。

「よーし。私だって、お弁当作って驚かせてやる」

料理は作るものじゃなくて、食べるものだと思っていたけど。
今日のあんなのを見せつけられたら、負けてられない気がする。

「……えっとまずは……」



——1時間後——

「で、出来た」

うーん。
出来上がったのは良いけれど、何か料理本に書いてあるのと違うな〜。

「うーん。もう一度作り直してみようかな」


——さらに1時間後——

「何か、インパクトに欠けるよね。もう少しこう……」

——さらに1時間後——

「かおり。何やってるの?」

あまりに長いせいか、お母さんが見かねて話しかけてくる。

「見れば分かるでしょ?お弁当作ってるんだよ」

「……それは、実験か何かなの?」

お母さんは、訝しげな顔で私のお弁当を見てくる。

「違うよ〜。お弁当だよ」

「……かおり、お母さん今度ちゃんと料理教えてあげるからね」

ハンカチで涙を拭うような仕草をするお母さん。
結構上手に出来たと思うんだけどなぁ。

でも、真一なら分かってくれるよね。
料理は見た目じゃないし。
あぁ明日驚く顔が楽しみだな〜。