コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

暗雲 ( No.85 )
日時: 2013/04/29 19:02
名前: ゴマ猫 (ID: Mx34GQYU)

翌日、熱さまシートのおかげなのか、風邪はすっかり良くなり、1日休んだだけで登校する事が出来ていた。

かおりや三波に、心配されたがそんな気遣いに嬉しさを感じていた。
その放課後、俺は久々に赤坂と帰る事になった。

「そういや、水島と帰るの久々だな」

「そうだな」

普段、赤坂は部活があるため、帰宅部の俺とは時間が合わず、一緒に帰宅する事はほとんどない。
今日は赤坂の部活が休みのため、久々に一緒に帰ろうって事になったのだ。
他愛のない会話をしながら、昇降口付近までやってきた。

「しかし、風邪がひどくならないで良かったな。人からうつると、こじれるって言うし」

「そうだな。まぁ気合いだな。病は気からって言うし」

木原が昨日、家に来たのは秘密だ。
まぁ赤坂には話しても問題ないと思うが、あまり根ほり葉ほり聞かれるのも嫌だしな。

下駄箱から靴を出し、上履きをしまい、靴を履くと足裏に衝撃が走った。

「痛っっ!!」

「ど、どうした?水島」

「……いや、靴に何か入ってたみたいだ」

靴を見ると、画鋲が2〜3個入っていた。
ご丁寧に画鋲を靴の中の色と同じように、黒の色で塗っている。

「ん〜、また古典的な嫌がらせだな」

赤坂は肩をすくめて、そんな事言う。

「……ったく、誰だこんな事するやつは」

靴下を脱ぎ、足裏を見ると、ごく少量ではあるが出血をしていた。

「とりあえず保健室行って、絆創膏貰ってきてやるよ」

「あぁ、悪いな赤坂」

数分後、赤坂が貰ってきてくれた絆創膏を足裏に貼る。
とりあえずこれで大丈夫だろう。

「でもこんな事するなんて、水島誰かに恨みでももたれてるのか?」

「んな覚えはねーよ。」

普段、品行方正な生き方をしているはずだ……多分。

「本当かぁ〜?」

疑いの眼差しで俺を見る赤坂。

「あのなぁ、俺は自ら争い事や、面倒な事には首突っ込まない性格なの」

「今まではな。最近はよく首突っ込んでるじゃないか」

「ぐっ……確かに」

木原や三波の件など、ここ最近はよく面倒な事に首突っ込んでるよな。

「それに、三波さんと最近、仲良いみたいじゃないか?あの子、校内の男子ほぼ全員が好意あるんだぞ?」

「それがどうかしたのか?」

はぁっと、大きな溜め息をつく赤坂。

「お前は本当に……つまり、水島と三波さんが仲良くするのを快く思わない奴も居るって事だ」

「何だよそれ?」

まぁ確かに最近仲良くなって、最初は刺されるんじゃないか? って心配もしてたけど、全然そんな事はなかったし、大丈夫だと思ったんだけどな。

「まぁ、警告かもしれないから注意すんだぞ」

「あぁ、一応気にはとめておくよ」

茜色に染まる空を眺めながら、赤坂と別れる。
しかし、妬まれる程の関係じゃないんだけどなぁ〜俺と三波。

そんな事を思いつつ、帰路につくのだった。