コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

暗雲2 ( No.88 )
日時: 2013/03/27 00:14
名前: ゴマ猫 (ID: vysrM5Zy)

この間の画鋲事件をキッカケに、俺の周りで様々な嫌がらせが起きていた。
ある時は、落とし穴(ハマった時に何年前の悪戯だよ!!っとツッコミを入れた)
またある時は、廊下の俺が歩くところにピンポイントでオイルが塗ってあり、結構豪快に滑って転んだ。

まぁ幸いにもケガはないし、取り立てて騒ぐ程の事ではないが、それにしたって気分は良くない。

そして今日、下駄箱の中に手紙が入っていた。
内容は『放課後に校舎裏にて待つ』だ。
普通に考えれば、決闘とかそういうヤツだろう。
けして甘い香りがする手紙ではない。
それに、業務用茶封筒に鉛筆書きだし……。


「……気が重いな」

俺は放課後の校舎を、1人呟きながら指定された場所へ向かっていた。
指定の場所へ着くと、1人の男子生徒が待っていた。

「ようやく来たか!!水島真一」

男子生徒は、振り向きながらポーズを決めるように人差し指をさし、俺にそんな事を言う。

「……えーっと、スマン誰だっけ?」

「お、お前!!俺を知らないとでも言う気か?!」

「……スマン」

「おのれ……水島。クラスが同じだろうが!!」

「あっ、あぁ!!えーっと鈴木だろ?」

「田中だ!!」

物凄い勢いでツッコミを入れてくる田中。

「冗談だ。怒るな」

こいつの名前は、田中一(たなかはじめ)
クラスでは目立たないタイプだが、何かの部活?の部長をやってるんだとか聞いた事がある。
ここに呼び出したって事は、田中が犯人なのか?

「そんな事より、ここ数日の悪戯の犯人はお前か?」

「そうだ。ハッキリ言うぞ!!三波さんに近付くな!!」

どうやら、赤坂が予想してた通り、俺と三波が最近仲良いのが許せないらしいな。
妬む程の関係じゃないってのに。

「こっちこそハッキリ言っとくけど、お前が妬むような関係じゃねーよ」

「ふっ、俺は三波さんと話す事さえ出来ず、見ているだけで癒やされていると言うのに……手作り弁当まで作ってもらっておきながら、妬まれる程の関係じゃないだと!!」

眉間にしわをよせて、怒りをあらわにする田中。
完全に逆恨みだこれ。

「……あのなぁ、弁当には色々理由があんだよ」

「やかましい!!理由があろうと、なかろうと弁当を作ってもらった事は事実!!」

だめだこりゃ。
まったく聞く耳持たない。

「水島!!お前に決闘を申し込む!!」

「はぁ?」

「俺が勝ったら、三波さんに近付くのはやめてもらおう」

「はぁ……。ちなみに聞くが、俺が勝ったら田中は何してくれるんだ?」

「ふん、お前が勝ったら何でも好きな事を聞いてやろう」

強気だなコイツ。
どっからそんな自信が出てくるんだか。

「で、その決闘とやらは殴り合いでもすんのか?」

「ふん、そんな時代遅れな事をする訳ないだろう。野蛮人め」

お前に言われたくないけどね!!
靴に画鋲入れたり、落とし穴仕掛けるようなヤツに。

「ここは、高校生らしくスポーツで決めようじゃないか」

「種目は?」

「バスケット。フリースロー対決でどうだ?」

「良いぜ。俺が勝ったら今までの事謝ってもらおうか」

「勝てたらな」

不敵な笑みを浮かべる田中。
そんなこんなで後日、田中とフリースロー対決をする事になった。
何だか面倒くさい事になったが、今までの鬱憤をはらすには良い機会だろう。