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Re: 平均少女の恋 ( No.13 )
日時: 2013/11/11 16:45
名前: ミム (ID: MbtYH2rf)

2章


その日の放課後バイトだった。

何をしてるかって?
それはねー—————


「へい!いらっしゃいっ!!」


ラーメン屋さんです。


「三紗ちゃんが働いてくれて店が明るくなったよー!」


おっちゃんが笑顔に私に言ってくれた。


「エへへ///ありがとうございます!」


そんなこと言われたら私だって照れますよー!


「おいっ!」


あっいけないいけない…!


「あ!」


思わず声をあげてしまう。
それにも無理はないだろう。
そこにはなんとヤンキー乙女(?)男子、椎名が居たのだから。


「お、おおおおお前何でこんなところに!???」


それはこっちのセリフだよ。

なんて心の中で呟いた。


「ここでアルバイトしてるんで。」

「あぁそうか…!そういえばこの間の事誰にも言ってないだろうな…!?」


この間…??

何の事だろうと思いながらも急いで記憶を辿ってみる


なるほどそういうことかー!


「言ってませんよぉ!まさかヤンキー男の貴方が私のウサギを握りしめて去ってしまったことなんて!!言うわけないじゃないですか!?」

「おいっ…!!」

「ンンンン———」


急に大きな手で口を塞がれる。

息ができない。


「はぁはぁはぁ———何してくれるんですか!?死ぬところでしたよ!」

「そりゃこっちのセリフだ…!!何でこんなところで俺の秘密を堂々と言いやがって…!」


へっ?
私言いました?


「言ったよ。」


まるで考えている事が見破られるように椎名は答えた。

「もしかしてエスパーなんですか!?まさかまさか今考えてる事も分かっちゃいますか!?」

「分かるよ。」

「やっ、やっぱりエスパーだ!!皆さんここにエスパーがいますよ!」

「いや、お前が声を出して喋ってるからだよ!」

「えっ、声出てました?」

「変な奴だな。」


なんでこんな変な奴に「変な奴」言われなきゃいけないのだろう?

私は思わず顔をしかめた。


「なんだその顔は。」

「いや、別に…何でも…」

「そうか…ならどうか頼む!!!」


そういうと急に床に頭をつけ椎名は土下座をした。


「え、ええええ、どうしたんですか!?」

「俺が変な奴だという事を言わないでくれ!!」


え…
多分皆貴方が変な奴だという事は知ってると思いますけど…


「俺が実はウサギが好きな事も、実は実は可愛い物が好きな事も、実は実は実は少女漫画を読んでる事とかも言わないでくれ!!」


いや、もうこのラーメン屋の人に言ってるじゃないか。

でもこのラーメン屋には現在3人しかいない。
それは私と椎名とおっちゃんだけだ。

そこで「なんて悲しい店だろう」と思った君!!
それはおっちゃんの前では口にしてはいけないぞ…

それにしてもおっちゃんが『明るくなったよ』って言ったのは多分うるさい私がこの店に来たからだろう。
それまでは客もいないこの店で一人でいたわけなのだから。
そう考えると涙が出てきそうになる。

とにかく話が反れてきた。
こう言うとこがいけないんだよなー、私は…


「はぁー」


思わずため息をついてしまう。


「もしかして駄目なのか…!?」


あぁそういえば忘れてた…


「いいえ、別にいいですよ」


———ガシッ


「!」


急に私の手を取る椎名。
しかもその目は異常に尊敬の眼差しだった。

うっ…きつい…

とうとう我慢が出来なくなり目を逸らした。


「でもそれだけじゃ足りたいなー。なんかお前にも悪いし。俺の心が許さねー。」


どんな心だよ…

思わずまた突っ込んでしまう。


「なら一つだけ言う事を聞こう。」

「えっ…急に言われても———」