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Re: 平均少女の恋 ( No.16 )
日時: 2013/06/02 15:55
名前: ミム (ID: r1bonIQR)

その時おっちゃんが私の目をキラキラした瞳で見つめてきた。


「ッ———!」


その目はまさか頼んでるのか…!?


「じゃあここでアルバイトしてください…」

「そ、そんなことでいいのか!?」

「はい…」

「よっしゃああああ!おっちゃんならこれからよろしく頼むぜ。」


椎名はガッツポーズをとるとおっちゃんに告げた。


「三紗ちゃん、ありがとう。」

「は、はい。」


いや、おっちゃんのその瞳に負けたよ。
そんな目をされたら私だって困っちゃうよ。


「おっちゃん、何からすればいいの?」

「うーん、そうだなぁー……」


おっちゃんは腕を組むと顔をしかめさせた。

それもそうだろう。
人がいないラーメン屋では何も動く事が出来ない。
皿洗いもできないし、何もすることがないのだから。


「あっそうだ!ならチラシを配ってきてくれ。」

「了解です!ほら、お前も行くぞぉー!」

「うん」


どこに向かうのかは知らないまま私は着いていくことにした。


「ここって…—————」

「おう、人が集まるゲームセンターいわいるゲーセンだ!」


———ガタッ


私は思わず腰が抜けてしまった。


「ど、どうした…!!」

「あのねぇ、もう良いから付いてきて!!」


椎名の手を握ると私達は駅まで来た。


「こう言うところで配るの。分かった?」

「おう。」


一言返事をした後椎名はチラシを配り始めた。
それと同時に私も配り始める。


「お願いしまーす!」


だけどなかなか受け取ってくれない。

これが商売かぁ…
なんて思っていた。


「お願いします!!」


椎名はいちいち頭を下げてチラシを配っていた。

するとそれを見た人は物珍しそうにチラシを受け取っていった。

すごい…、あいつやればできるじゃん。

私も同じように配っていく。


「お願いします!」


すると見る見るうちにチラシが減っていった。


———夜


「やっと終わったねー」

「あぁ、疲れたなぁ」

「うん。」


そんな会話をしながら店に戻るとそこには人がたくさんいた。


「三紗ちゃん、椎名お帰りー!お陰で繁盛してるよ〜」


おっちゃんは満面の笑みで私達に向かって言った。

私はそれを見てとてもうれしくなった。


「悪いが手伝ってくれないか?」

「「はい!」」


椎名も私も満面の笑みでいう。


———閉店


「「「ありがとうございました!!」」」


最後のひと組目が終わった。


「ふぅ〜おっちゃんよかっ————」


おっちゃんはわずかに少しだが涙をためていた。


「おっちゃん…」


何を言っていいのか言葉が出ない。


「三紗ちゃんと椎名のおかげで今日は最高の一日だったよ。ありがとう。」


そう言って少し微笑んだ。


「おっちゃん、かっこよかったぜ!」


グーサインを出して歯をニカッと見せる椎名。
それを見たおっちゃんもグーサインを返した。


「お前は?」

「わ、分かったよ///」


そして私もグーサインを出したのだった。