コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 平均少女の恋 ( No.26 )
- 日時: 2013/06/12 21:46
- 名前: ミム (ID: r1bonIQR)
今画面でしか見れないと思っていたアイドル=城野蓮が目の前に座っている。
一言で表すならだれもが羨む「夢」だろう?
でも私は違った今は怒りであふれている。
「み、三紗…?」
くそっ、こんな性格悪男にうちの可愛い可愛い梨乃を渡すか!
何と言っても守って見せる!
っと言ってもホントにこれ合コン状態じゃないか!?
くそーー!
「三紗!?」
梨乃の少し大きな声で私は気がつく。
「ごめんごめん。アハハ…————」
曖昧に笑う私を梨乃は困った目で見ていた。
———パチン!
急に手と手を叩き合わせた音が響く。
その瞬間城野蓮はしゃべり始めた。
その声はハスキーで少しチャラチャラした口調だった。
きっと女子はこの声とこの外見につられてこの男に釣られるのだろう?
「俺は城野蓮だ。よろしく〜」
何だ!?
マジで合コンじゃないか…!?
思わず唖然して開けた口が塞がらなくなってしまう。
嘘だと思っていたこの言葉は本当だと知ったのはこの時だった。
それからどんどんと皆紹介していく。
そしてついに梨乃の出番が回ってきた。
「は、初めましてっ、梨乃です…よろしくお願いします…」
梨乃の声は小さく今にも消えてしまいそうだった。
それを見た女子はひそひそと何かを言い始めた。
全くこれだから女子は嫌いだ———と思っていたら男子までもが始めた。
たまたま隣に座っていた城野蓮と同じグループ男子の小さな声が私の耳に届いた。
「ていうかなんかテンション低くね?蓮があんな奴誘うとは思えねぇんだけど。あいつもしかしてまたヤッて捨てるんじゃね?」
———バンッ
思わず机をたたいてしまう。
皆私をじーっと見ていた。
「じゃあ、そこの女の子最後に自己紹介してくれる?」
城野のその声に私は不機嫌に応答した。
「渡辺です。よろしく。」
少し低いトーンで言うと城野は不気味な笑みを浮かべた。
「ッ———!」
その笑みはまるで悪魔みたいだった。
3章 完