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Re: 平均少女の恋 ( No.29 )
日時: 2013/06/22 22:57
名前: ミム (ID: r1bonIQR)

4章


さっきの笑みが頭から離れない。
まるでライオンが獲物を見つけたようなあの目——
まさに悪魔だった。
あの笑みにはどういう意味が隠されているのだろう…?


「トイレ行ってくるね。」


私はそう梨乃に告げると椅子から離れトイレに向かった。


———ガチャン


トイレのドアを閉めるとそれと同時に私の感情は切れた。


「はぁーていうかあんな男に梨乃は絶対に渡さない…———ってくそーー!なんだよあの笑み!?」


私は感情を爆発させるとトイレから出た。


「渡辺さん。」


えっ…!

そこには城野蓮がいた。


「な、なんですか。」


無愛想な声で言葉を放つと城野蓮は笑った。


「プッ、警戒しすぎなんだよ。」


ムッ…!
この男———

だけど彼の目の奥は笑ってなかった。


「それにしてもまる聞こえなんだよ。」

「!」

「もしかして聞こえてないとでも思った?」

「別に…」


こんな男ほっといてさっさと席に戻ろう。
きっと梨乃も心配してる。

そう思ってその場から立ち去ろうとした時———


———バンッ


「…!」


後ろの壁に迫られ手をつかれると私の逃げ場所はなくなった。


「ねぇ、まさか逃げられると思った?」

「ッ———!」

「図星か…———」


———ガタンッ


音が鳴ったそこへ目を向けてみるとそこには梨乃がいた。


「あ…ごめん、なさい…っ」

「梨乃…!まっ———「ダ—メ、逃がさないよ。」

「離してっ!!」


必死に抵抗をするがなかなか離してくれない。


「あんたっ、いったい何が目的なのよ!?」

「目的?そんなの決まってるじゃん。」


えっ…

城野蓮の唇が私の唇に向かって近づいてくる。

まるでスローモーションみたいに——