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Re: 平均少女の恋【参照100突破!ありがとです(泣)】 ( No.9 )
日時: 2013/11/11 16:30
名前: ミム (ID: MbtYH2rf)

———バーン!!!


部屋に響いた音は今でも響いているような気がした。
だけど痛くない。
どこも痛くないのだ。

あれっ?
どうして殴られたはずなのに痛くないんだろう?

そっと目を開けてみると————


「ッ………!!」


そこには俺様男がいた。
そう、いきなり私に告白をしてきた人だ。

でもどうしてこんなところにいるんだろう?
しかも私の事を守ってくれた。

一瞬固まってしまう。

いや、でもそんな場合じゃない。
目の前で俺様男が倒れているのが分かる。
きっとどこか怪我をしたんだろう。
それもそうだ、あんな男にやられたら、いくら男でも一溜まりも無い。


「大丈夫…!?」


いきなり足首をつかまれる。

もしかしたらものすごく苦しいのかもしれない。


「今すぐ救急車呼ぶからね!!」


私の為にこんな事になってしまった彼を見ると物凄く胸が痛んだ。


「ねみぃー」


は?


「な、何!?」

「ふぁぁあ…ていうかもう寝させてくれ…————」


そういうと意識を失ったように私の足首を離した。


「ねぇ!ねぇ!」

「うるせぇ、昨日は寝てねぇんだよ。」


こんな口が聞けるのだから大丈夫なのだろう。
そう思うとものすごく安心した。
でも同時に涙が溢れてくる。

怖かった…
怖かったよぉ…


「っ……っっ……」


誰にも気づかれないように静かに泣く。
昔からそれが得意だった。
泣くときは声も出さない。
だけど心の底は本当は誰かに気付いてほしかった。


「…く…な」


半開きの口で俺様男は私に何かを言っている。
私は口に耳を近づけてみた。


「泣くな。」


微かに小さな声だけど聞こえる。


「ふっ」


思わず笑みが溢れる。
それと同時に沢山の涙も溢れてきた。


「ありがとう。」


私は誰にも聞こえないように呟いた。


———次の日


「三紗ぁぁぁぁぁ〜〜〜!!ありがとぉ…っ!」

「わぁ!!」


教室に入るといきなり梨乃に抱きつかれた。


「梨乃がいなかったら私今頃お星様になってたよぉ…」


お、お星様…?
さすが不思議ちゃんだ。
でも私はそんな梨乃が大好きだ。

昨日はあれからというもの梨乃をロープから放し俺様男を引きずりながら帰った。
まだあの男は学校に来ていない。


「そういえばさ〜三紗あの男とどういう関係なの〜?」


梨乃はニヤニヤしながら私の耳元で言った。


「な、何にもないよっ!!感違いしないでよねっ///」

「ふ〜ん、三紗はわかりやすいね〜〜」

「だから本当だって!確かに感謝はしてるけど「感謝はしてるんだぁ〜〜」


梨乃のニヤニヤは加速していく。

好きじゃない!
あんな男好きじゃない…!

でも頭の中であいつの言葉が消えないんだ。