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Re: 危険な猛獣(♂)拾いました。〜彼は狼のようで〜500突破(泣 ( No.109 )
日時: 2013/03/29 14:11
名前: 珠紀 (ID: gnqQDxSO)

〜大side〜

今日から俺は山田と一緒に住むことになった。

朝からドキドキと鼓動がうるさい。

「大っ!あぶねっ!」

「ん〜…?」

声の方を振り向くと、顔面に激痛が走る。

「痛ってっ!」

バスケットボールが顔面に直撃した。

「大丈夫かよ〜?お前が部活中に上の空なんて珍しいな」

部活友達が俺の方にボールを取りに近づいてくる。

「あぁ…わり〜…」

ボールを手渡すと、そいつはじっと俺の顔を見てにやりと笑った。

「山田さんのこと考えてたのか?」

「なっ!」

予想的中で顔が火照る。

これじゃあ否定しても無理だ。

「なんだよ〜やっと付き合えたのか?」

「ちげー…」

「は?あ…もしかして。ふられたんか?」

言いにくそうに聞いてくる。

「やめろ、縁起悪い…」

「じゃあなんなんだよ〜…ってかお前すげーよなぁ、何年片思いよ?なんでそんなに山田さんにこだわってんの?お前モテるし選び放題じゃん」

「うるせーよ…まだあいつには恋だの愛だの早いんだよっ!」

「お前は、山田さんの父親かっ!」

「…」

違う…そんなの思ってない。

ただ俺が気持ちを伝える勇気がないから…ふられるのが怖いから…。

「あれ?噂の山田さんだ」

「は!?」

そこにいたのは本当に山田だった。

「大ちゃん…もう部活終わりだよね…?一緒に帰ってもいい?1人で帰るの怖くて…」

山田はつい最近ストーカーにあったらしく、1人で帰るのが困難な状態だった。

「陽斗は…?」

あいつはいっつも山田に張り付いてるのに。

「なんか…お金持ちそうな人とどっか行っちゃって。だから先に帰っててって…」

お金持ちそうな…人?

あいつの家族か?

あいつ…理由があって山田の家にいるって言ってたし。

「分かった。ちょっと待っててな」

「うんっ」

嬉しそうな山田を見て朝から鳴り響いている鼓動が早くなる。

俺は気づかれないように帰る支度を始めた。