PR
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 危険な猛獣(♂)拾いました。〜彼は狼のようで〜500突破(泣 ( No.110 )
- 日時: 2013/03/29 14:43
- 名前: 珠紀 (ID: gnqQDxSO)
帰り道、俺の鼓動は爆発寸前だ。
…近い。
そう、山田が俺にくっついて歩いているからだ。
「…山田、少し離れて?」
「あっ!ごめんねっ」
慌てて離れる山田。
でも、俺にくっついてくるなんて本当に恐いんだろうな…。
そんな山田さえ可愛いと思う俺は本当にヤバいんだが…。
「…そんなに怖いんだったら、毎日一緒に登下校するけど…」
「え?」
「いや、ほら…どうせ今日から一緒に住むんだし」
言い訳なんかして…カッコ悪ぃ、俺。
「じゃあ、お願いしようかな」
照れて笑う君は俺の気持ちなんて知るよしもないんだろうな。
「ねぇ…そこのカップル〜」
突然誰かに肩を叩かれる。
「…?」
「彼女さん可愛いね〜おじさんにくれない〜?」
酔ったおっさんだ。
山田に触ろうと手を伸ばしてきた。
「いやっ…」
「…っっ!」
とっさにその手を掴んで俺はおっさんを投げ飛ばしていた。
おっさんは酔いが少し冷めたのか、驚いて走り去った。
「おい…大丈夫か山田…?」
「っ…怖かった」
ぎゅっと山田が俺にすがりついてくる。
守りたい。
『なんでそんなに山田さんにこだわってんの?』
小さい頃からいつもこうやって俺にすがりついてくる君が愛しくて仕方がないから。
俺は君を守ってあげたい…
そっと山田を抱きしめる。
だけど、俺の腕の中で震える山田を食べてしまいたいと思う俺は他の男と変わらない狼なんだろうなと思ってしまう…。
そんな俺を…こんな俺でも君は受け入れてくれるだろうか…?
PR