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Re: 危険な猛獣(♂)拾いました。【*アンケート開始っ!*】 ( No.136 )
日時: 2013/03/31 16:45
名前: 珠紀 (ID: gnqQDxSO)

歩いて、歩いて…

私は陽斗に引きずられるように歩いた。

ついた先は見知らぬ公園。

「…」

「奈々ちゃん…」

陽斗は私をベンチに座らすと私に触れようとする。

大ちゃんを殴った手で…。

その手を思いっきりはねのける。

陽斗の顔が固まる。

「どうして…どうしてあんなことしたの…!?」

あんなの、まるで

「人を傷つけるなんて…っ殴るなんてっ!死んじゃうかもしれないんだよ…!?」

私の両親を殺したあの男たちのような…ーー

陽斗の顔が悲しみに歪む。

腕を大きく私の方へ振り上げた。

「!?」

殴られる…!?

ギュッと目を瞑ると…

痛く、ない。

その変わりに暖かさが伝わってきた。

「っーー…」

「ーーーー………は…ると…」

壊れ物に触れるように陽斗に抱き締めれる。

「ごめんね…大は…奈々ちゃんの大切な人なのに…」

大切…?

「奈々ちゃんは大のこと好きなんだろ…?」

好き…?

うん、大好きだよ…でも特別な意味じゃ、ない。

「奈々ちゃんが大を好きでも…」

抱き締められていた身体が静かに離れる。

「俺、奈々ちゃんのこと好きになった…いや…最初から好きだったのかも」

「う、うん。私も好きだよ?」

『好きだよ』と言うと、陽斗の顔が歪む。

「それは特別な意味じゃないだろ?…奈々ちゃんが大に抱き締められてるところを見たとき、すげー嫌だった…だから」

サラッと髪に陽斗の指が絡まる。

「大から奈々ちゃんを奪うから」

陽斗の少しつり上がった瞳が私をとらえた。