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Re: 危険な猛獣(♂)拾いました。【*アンケート開始っ!*】 ( No.139 )
日時: 2013/03/31 22:13
名前: 珠紀 (ID: gnqQDxSO)

〜陽斗side〜

「なんだよ…親父」

放課後、俺はひとりの中年オヤジに話しかけられた。

奈々ちゃんには先に帰るように言った。

中年オヤジは俺の実の親父。

「いつになったら、帰ってくるんだ。お金もさんざん使ってこんな学校に入ったりもう少し大人になったらどうだ…」

「…」

もう、こりごりだった。

小さい頃から、名誉だの地位だの言われ続け頭が痛かった。

『お前は将来私の跡を継いで会社を大きくするんだ。お前はそのためだけに生まれてきたのだから』

親父の口癖…。

やめろ…勝手に決めつけるな。

それだけのために生まれてきたのなら、最初から生まれてこない方がよかった…。

愛情も与えられず、小さい頃から英才教育。

母親も俺を産んですぐ死んだ。

「…無言か。まぁいい…とにかく早めに帰ってくるように」

「…」
 
…それだけ言いにきたのかよ。

もう、うんざりだ…。

「あ、それからだな…」

親父が足を止めてこちらを見ずに話し始める。

「さっき一緒にいた女性だが…あの子はやめなさい。みすぼらしい…」

…は?

この糞親父は俺の大切な人までもダメだと言うのか…。

俺のはらわたは煮えくり返っていた。

「ふざけんな…俺の周りのことまで口出すんじゃねーよっ!」

初めて反抗したと思う。

俺は殺したいくらいの衝動を抑え、走り出した。

奈々ちゃん…っっ

奈々…っ