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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 危険な猛獣(♂)拾いました。〜彼は発情期〜 ( No.14 )
- 日時: 2013/03/10 19:42
- 名前: 珠紀 (ID: CSYaft37)
「可愛い」
誰かの声が聞こえた。
誰かに頭を撫でられている。
「ん…気持ちいい」
「ぁ、笑ってる…」
クスクスと笑っている男の子の声。
…?
男の子?
「…」
がばりと勢いよく身体を起こす。
「ぁ…おはよ」
目の前にはあの男の子。
ぁ…そうだ。
彼が倒れて、運んで…
私寝ちゃったんだ。
「布団どうもな。それじゃあ俺帰るから」
「え…?」
何故かは分からない。
何故かは分からないけど…私はとっさに男の子の腕を掴んでいた。
「あ、えと…ぁの」
「何?」
男の子は困惑した表情を私に向ける。
「行くところあるんですか!?」
とっさにでた言葉がこれだった。
「ない…かな」
男の子は困惑した表情のまま笑った。
「わっっ私の家においてあげてもいいですよっ!」
「え?」
は…?
自分は何を言っているのか。
口が勝手に動いた。
「…いいの?」
男の子は私をじっと見つめた。
「はい…」
言ったからにはもう引けない。
それに、なぜかこの人を放っておけなかった。
あの雨の日…寂しそうな表情をしていたから。
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