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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 危険な猛獣(♂)拾いました。【*アンケート開始っ!*】 ( No.145 )
- 日時: 2013/04/01 18:09
- 名前: 珠紀 (ID: gnqQDxSO)
俺は奈々ちゃんの家につく手前で足を止める。
「大ちゃん…」
抱き合っていた。
奈々ちゃんと大が…。
「何やってんの?」
呼びかけると2人の身体がピクリと動く。
あぁ…俺は2人の邪魔者なんだ…。
ここにも俺を必要としてくれる人はいなかった…。
だけど、奈々ちゃんは俺の方に駆け寄ろうとしてくれる。
それを大が止める。
…まだ、奈々ちゃんは大のものじゃない…。
俺も奈々ちゃんの片方の手をつかむ。
大の顔が瞳が…敵に向けるように鋭くなる。
その瞬間大は奈々ちゃんを引き寄せ髪をたくしあげた。
「っ…!!」
キスマーク…。
…嫌だ。
渡したくないっっ
やっと心から好きだと、大切だと思える存在に会えたのに…っっ
もう…1人は嫌なんだっっ
…俺の腕は大へと振りかざしていた。
「…った」
大の口元から血が流れる。
「あ…あぁ」
…奈々…ちゃん?
様子がおかしかった。
まるで、何かに怯えてるような。
だけど、俺は無理やり奈々ちゃんの手をつかみ歩き始めた。
一生この手を離したくない…。
ついた先は公園。
奈々ちゃんをベンチに座らせ触れようとする。
「っっ!」
思いっきりはねのけられ思考が停止する。
奈々ちゃんは俺を拒絶した。
「なんであんなことしたの…殴るなんてっ!死んじゃうかもしれないんだよっ!?」
奈々ちゃんの瞳が俺を怯えるように身構えた。
なんで…っっ
なんで、俺は…傷つけたり壊したりすることしかできないのだろう。
「ごめんね…っっ」
俺は怯える彼女を強引に抱きしめる。
奈々ちゃんの身体の力が次第に抜けていく。
渡したくない…。
俺の、かけがえのない大切な…宝物のような存在。
奈々ちゃん、俺はどんなことをしてでも君を諦めたくない…。
たとえ、君に嫌われようとも。
そんな愛し方しか知らない俺を…許して。
「大から奈々ちゃんを奪うから」
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