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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 危険な猛獣(♂)拾いました。〜彼は発情期〜 ( No.16 )
- 日時: 2013/03/10 21:18
- 名前: 珠紀 (ID: CSYaft37)
〜陽斗side〜
外は雨が降っていた。
行く宛もなくフラフラと歩いていた俺は体力の限界が来てその場にしゃがみ込んだ。
何分か時間がたち、女の子が頭に鞄をのせて走ってくるのが見えた。
じっと見つめていると、不意に目があってしまう。
髪は肩より少し長いくらいで、大きい目が印象的だ。
雨の雫が頬をつたって彼女の涙のように見えた。
…綺麗だ。
そう思った。
俺はこれまでどんな女も綺麗なんて思ったことがなかった。
とっさに俺は話しかけてしまった。
「ねぇ、このアパートの住人?」
「そ、そうです、それじゃ」
彼女は急いだように俺からすぐに視線を外した。
「ぁ…」
…行ってほしくないと思った。
とっさに彼女の服の端を掴む。
彼女は驚いた顔をしている。
…そうだよな…。
つか、俺も掴んで…どうしよう。
すぐに頭に浮かんだ言葉が…
「タオル貸して…ください」
これだった。
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