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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 危険な猛獣(♂)拾いました。【*アンケート開始っ!*】 ( No.160 )
- 日時: 2013/04/04 02:32
- 名前: 珠紀 (ID: gnqQDxSO)
「おはよー」
今日は土曜日。
陽斗とのデートの日だ。
それのせいか、陽斗は朝から機嫌がいい。
いつも朝が弱くて機嫌が悪いのに…。
「…陽斗、なっ…じゃなくて山田に変なことするなよ」
「しねーよ」
また喧嘩の予感。
…だけど、陽斗はそれだけ言うと準備を再開した。
あれ?
あんまり言い返さない
いつも言い返すのに。
「奈々ちゃん、いこ?」
「えっ?!あ、うん。いってきます」
私は大ちゃんに呼びかけて家から出た。
「今日は俺が行きたいところに行ってもいい?」
「う、うん」
返事をするとそっと手を握られる。
「…っっ」
「嫌だったら、振り解いていいから…」
優しく繋がれる手…。
恋人つなぎだ。
陽斗の指が私の指に絡みついて、少し恥ずかしい。
「…」
私は無言のまま首を横に振る。
チラリと陽斗を見ると優しく笑う陽斗。
「…っっ」
何でそんな優しい瞳で見つめるの…?
私は陽斗に引かれるままデートの場所へ向かった。
そこはすぐだった。
「公園…?」
目的地は大きな公園だった。
「うん、一回奈々ちゃんと来たかったんだ。ここは暖かいから」
周りを見ると仲の良さそうな家族やお年寄りがたくさんいた。
『暖かい』
陽斗の言ってることが分かる気がする。
みんな笑顔で遊んで心がぽかぽかする。
「俺も…ここにいる家族みたいになりたかった…」
陽斗は聞こえないように言ったつもりだろうが、私にははっきり聞こえた。
「陽斗…」
「え、何?」
だけど笑顔で私を見つめる。
「ううん、何でもないっ!」
陽斗…時々悲しい顔をするあなたといつも笑っているあなた…どっちが本物なの?
「あ、あそこに犬いる」
「え?」
陽斗の声でハッとする。
「触らせてもらおう?」
キュッとまた手を繋がれ引かれる。
「うん。」
私は疑問を持ちながら陽斗の後を歩いた。
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