コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 危険な猛獣(♂)拾いました。【*アンケート開始っ!*】 ( No.161 )
日時: 2013/04/04 03:01
名前: 珠紀 (ID: gnqQDxSO)

「触らせてもらってもいいですか?」

陽斗が飼い主さんに声をかけると、快くOKしてくれた。

「可愛い…」

カッププードルだ。

小さくてすごく可愛い。

「ね?陽斗っ!」

「うん、すごく可愛い」

だけど、陽斗の目線は私。

「?」

「奈々ちゃんが可愛い」

「なっ!!」

不意打ちで顔が真っ赤になる。

「違うよっ!この犬のことだよっ!」

「分かってる」

陽斗は私の慌てぶりを見て笑い出す。

「だけど、犬ばっかり構ってないで俺の方も見て?」

恥ずかしいことをサラッと言う。

「仲がいいんですね?私はお邪魔かな」

飼い主さんも笑って私達を見て犬を抱えて行ってしまった。

「もうっ!陽斗っ!飼い主さんに勘違いされたじゃないっ!」

「いいじゃん」

ぎゅっと後ろから抱きしめられる。

身長が高い陽斗に抱きしめられた私はすっぽり大きな身体にはまった。

「だって…奈々ちゃんが好きすぎるんだもん…」

耳元で言われ、息が止まる。

低い、少しハスキーがかった声。

「そ、そそそそんなこと言ったってっ!」

「やだ〜やめてよ〜こんなところで〜」

私の声を遮ってすぐ近くで甘ったるい声が聞こえた。

「いーじゃん、そっちの奴らもいちゃついてるじゃん」

そこにはイチャイチャカップル。

そのカップルは人目も惜しまずキスし始めた。

「ちゅ…ちゅっちゅっ…ぷちゅー」

恥ずかしい音が鳴り響く。

「…」

陽斗はガン見。

やっ…やめてぇー〜!!

「あ、あのっ陽斗…場所変えない?」

だけど、陽斗はカップルをガン見。

「陽斗っ!」

私は無理やり引っ張りその場から離れた。

「はぁ…」

あぁ…最悪…。

なんで、陽斗といるときに…。

「…っ」

「…奈々ちゃん、奈々ちゃんは好きな人とキスしたいと思う?」

「えっ!?」

いきなり過ぎる質問に声が裏がえる。

「分かんないよっ!私…好きな人できたことないし…っっ」

「…」

ぐっと陽斗に腕を掴まれる。

「っ…!?」

「俺はしたい…」

「へ…」

陽斗の顔が近い。

「好きな奴と…奈々ちゃんとキス…」

おでことおでこが触れ合った。

唇と唇が触れそうな距離。

「いっ…いっやぁぁー〜〜!!」

思いっきり陽斗の頬を叩くとその場を走る。

陽斗を残して。