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Re: 危険な猛獣(♂)拾いました。【*アンケート開始っ!*】 ( No.194 )
日時: 2013/04/21 16:25
名前: 珠紀 (ID: WqtRIGcg)

〜奈々side〜

しちゃった。

陽斗と…キス。

陽斗のキスってもっと強引かと思ったけど…優しくてまるで宝物に触れるようなキスだった。

今でもリアルに陽斗の唇と舌の感触が…

やわらかくて

あったかくて

はずかしくて

逃げ出したくて

心臓が止まるかと思った…

でも、思ったより…気持ち悪いとか嫌とかじゃなかったかも。

あの後、少し待ってみたけど大ちゃんは帰ってこなくて…

結局大ちゃんが帰ってきたのは次の日の朝だった。

理由を聞いても謝る言葉以外口にしない。

学校についても話しかけてすらこなくなった。

「あの…大ちゃっ…」

腕を掴んだ手を思いっきりはねのけられる。

「っ…」

な…に?

「あのね…あの日のことなんだけど…大ちゃんどこに」

「さぁ?もうどうでもいいだろ」

冷たい言葉が降りかかった。

「あ−…」

「ごめん、何もなかったから。俺が遅れただけ」

大ちゃんは少しだけ笑顔を作って私の頭をいつものようにポンと撫でた。

…はじめてみる、あんな大ちゃん。

大ちゃんはすぐ私から手を離してその場から離れた。

まるで、私と一緒にいたくないかのように。

「奈々ちゃん、ちょっといい?」

大ちゃんが去ると、すぐに陽斗が声をかけてきた。

「大…なんかあったんかな?」

「そ…うだね」

いつも喧嘩ばっかりしてるのにやっぱり陽斗も大ちゃんのことが心配なんだな…。

「…あのとき…俺がキスしたとき、大…近くにいたんだ」

「え!?」

じゃあ…大ちゃんに見られっっ…

「だから、それが原因じゃないかな。大も奈々ちゃんのことが好きだから…」

「何…言ってるの?」

大ちゃんが私を好き…?

そんなのあり得ないよ。

大ちゃんは私にとってお兄ちゃんみたいな存在で…幼なじみで家族みたいで。

「でも…」

「!」

ギュッと陽斗に包まれる。

「俺も奈々ちゃんが好きだから…あげない、あげたくない。奈々ちゃん…」

スリッと顔を寄せられる。

「奈々ちゃんは…俺の…。ねぇ奈々、俺と付き合って?」

「へ…………!?」

顔がぼっと火照る。

「返事は今度でいいから。それと…」

陽斗の顔が私の首筋へと持って行かれる。

「…ちゅ…」

「んっ」

チクリと痛みがはしった…これって。

「…ついた」

陽斗は満足そうに顔をあげて笑った。

「予約」

トントンとさっきキスされたところを指で叩かれる。

キスマーク。

私はどうするべきなのでしょう…神様。