コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 危険な猛獣(♂)拾いました。【*アンケート開始っ!*】 ( No.196 )
- 日時: 2013/04/28 21:41
- 名前: 珠紀 (ID: slzqu/cu)
「…奈々ちゃん嬉しい?」
「ヘ?嬉しいって…?」
さっきまで笑っていた陽斗の顔が悲しそうに歪んだ。
「俺、不安なんだ…奈々ちゃんが大のところに行って俺なんか相手にしなくなるんじゃないかって…すごく不安なんだ…」
「っ…」
私が…大ちゃんのところに…?
「それ…は」
「おーい!山田!雑用頼まれてくれんか?いやー1人じゃ大変だもんなぁ」
私の言葉を遮って先生が話しかけてきた。
先生の隣には大ちゃんがたくさんのプリントを抱えている。
「あの…大ちゃんとですか?」
「おー、お前ら仲いいし」
…今はちょっと気まずい雰囲気なのに〜…
「わ分かりました」
内心気まずくとも、なんとかなるというものだ。
「ぁ…」
プリントを持って大ちゃんのもとへい行こうとした手を陽斗に掴まれる。
「陽斗…?」
陽斗は私の手をきゅっと握りしめてから悲しい笑顔を向けた。
「頑張って…いってらっしゃい」
そっと私の手を離す。
「え…?」
「…山田行くぞ」
「う、うん」
大ちゃんと二人っきり…
気まずすぎる…気まずすぎますとも。
私たちは無言のまま廊下を歩き続ける。
「ーーーーー…」
「山田」
「な!?何!?」
声が裏返る。
「いや…プリントこの教室におくやつだから…」
呼び止められたのは他でもない。
私はその教室を通り越していた。
「ぁ…ごめんね!」
急いで戻り大ちゃんの後を追って教室へ入りプリントをおく。
「やっと終わった………………ね」
振り返るとすぐ近くに大ちゃんがいた。
距離が近い。
「山田って…鈴木と付き合ってんの?」
「!?」
いきなりの質問で肩がびくりと震えた。
「つ!?つつ、付き合ってないよ!」
「へぇ…」
やっぱりこの頃の大ちゃんはおかしい。
「じゃ、じゃあ私も質問していい?」
「何?」
ごくりと唾を飲む。
「大ちゃんって私のこと女として見てる…?」
「……っっ」
大ちゃんは驚いた顔をして私を見た。
少しの沈黙。
「見てるよ」
「え…」
「俺は昔からお前のことを女として見てたよ」