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Re: 危険な猛獣(♂)拾いました。【*アンケート開始っ!*】 ( No.203 )
日時: 2013/05/05 08:45
名前: 珠紀 (ID: slzqu/cu)

『俺はずっと女として見てたよ』

思ってもみなかった返答で呆然と大ちゃんを見つめる

「ずっと…なんて引くよな…。ごめんな?諦められなくていいかげんしつこいってな…」

「っ…私、大ちゃんが私を好きなんて思ってもみなかった。大ちゃんは昔からお兄ちゃんみたいな存在で…それで…」

語尾がゴニョゴニョと小さくなる。

その瞬間腕を引かれ大ちゃんに抱きしめられる。

「!?」

今まで意識してなかったのに…抱きしめられて鼓動が激しくなる。

「ーーーーー…俺にそんな反応する山田をもっと早く見たかった…」

ぎゅっと力を入れられ、顔を首もとに寄せられる。

「俺の気持ちに気づいてたら俺のこと見てくれてた?奈々」

名前で呼ばれゾクッと身体が震える。

「ん…」

変な声が出てしまい、ばっと勢いよく離れようとした。

「ダメだ」

が、そんな私を大ちゃんは逃がすわけがなくて…

両手を掴まれる。

「ごめん」

「へ…」

時すでに遅し

私の唇に柔らかいものが押し合てられた。

次第に深くなるそれに息がうまくできない。

「大ちゃ………やめっ…」

力が抜けていき、瞳には苦しくて涙がたまる。

それからそっと離される唇。

「…………」

「…っ」

ーガラッー

それと同時に扉が開いた。

「奈々…ちゃん…大とキス…してた…」

「違う…やだ…」

陽斗の顔が絶望に崩れた。

やだ…そんな顔しないで…

傷つけたい訳じゃないのに。

「そ…か…奈々ちゃんは大を選んだの?」

「っ…」

「俺…奈々ちゃん諦める。大といたほうが奈々ちゃんも幸せ」

陽斗の頬を涙がつたっていた。

「俺は…君を幸せにはできないから…」

陽斗は私たちに背中を向けて走り出した。

「待っ!」

追おうとして大ちゃんに腕を掴まれる。

「行かないでくれ…」

「っ…」

私を掴んだ大ちゃんの手がふるふると震えていた。

私は…最低だ。

大ちゃんも陽斗も傷つけて…っっ

一体私は…何をやっているんだろう…。