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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 危険な猛獣(♂)拾いました。【*アンケート開始っ!*】 ( No.215 )
- 日時: 2013/05/05 08:48
- 名前: 珠紀 (ID: slzqu/cu)
『完全に大のものになっちゃったんだな…奈々ちゃん…絶交して』
陽斗の顔が私の涙で滲んでいく。
「もう俺に話しかけてこないで…この家からも出ていく」
陽斗はそう言うと放心状態の私をおいて出ていった。
ーーーーーぜっこう…?
…何で…そんなのいやだよ…!
「山田?」
入れ替わるように大ちゃんが帰ってきた。
「さっき陽斗が走っていったけど何かあったのか?」
「別に…何でもないよ」
大ちゃんの前を通りすぎようとしたががっしりと腕を捕まれた。
「なっ何っ!?」
「ちょっとシャツ脱いで」
「え!?何で…」
私の制止も聞かず私のシャツを肩下までおろした。
「…これ何」
「!?」
勢いよく後ろを振り返る。
もしかしてこれ…
陽斗がつけたキスマーク!?
私の肌は所々鬱血していた。
次第に顔が真っ赤に染まる。
「…陽斗だな、何された!?」
大ちゃんは掴んでいる手の力を強めた。
「“絶交”だって…」
ガクガクと身体が震え出す。
「それってもう私とかかわり合いたくないってことだよね…?どうしよう…私が大ちゃんを選んだから…私がどちらも選ばなければっ間違ったのかな…」
私の言葉に大ちゃんが驚いた顔で腕の力を和らげた。
「間違ってない…」
ぎゅっと優しく後ろから抱きしめられる。
「山田はちゃんと考えて、自分の気持ちを見て俺を選んでくれたんだろ?…間違ってない…。絶交なんてやすい言葉で何かが変わるなんてありえない…陽斗は分かってない」
「…ふ…ぇ…ふっ」
込み上げてきた思いが涙となって溢れ出す。
「だから心配するな…奈々」
優しく名前で呼ばれ、大ちゃんの声の音色に安心する。
…大ちゃんーーーーー…
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