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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 危険な猛獣(♂)拾いました。〜彼は発情期〜 ( No.22 )
- 日時: 2013/03/10 19:27
- 名前: 珠紀 (ID: CSYaft37)
「おはよう。山田」
「あ、大ちゃん…おはよー」
私が教室に入ると、ひとりの男の子が話しかけてきた。
彼は幼稚園から一緒のいわゆる幼なじみと言う奴で、両親がいない今私のことを一番知っている理解者だ。
「…大丈夫?」
「え!?何がっ?」
急に『大丈夫』なんて言うから、陽斗のことが頭によぎった。
「いや…疲れた顔してるから。何かあったか…?」
「え…えっと」
陽斗のことを大ちゃんに言ってもいいんだろうか…。
いやいや、言ったらとんでもないことになるよね。
「ちょっと寝不足なだけだよ」
「そっか。何かあったら言えよ」
ごめんね、大ちゃん。
これだけは、言えない。
「ぅん」
私は大ちゃんに笑顔を向けると、安心したのか大ちゃんは自分の席についた。
「ふぅ…」
秘密って…
疲れる…。
それから、担任の先生の声で1日が始まった。
この日は、時間が早く進んだような気がしていつも長く感じる6時限目までがあっという間に過ぎていきすっかり日も暮れていた。
急いで校門へ向かった私はある人物を見つけ勢いよく回れ右をした。
何故かというと…。
「やだ〜汚い…」
「でも、カッコいいよ〜」
校門前にいたのは見知った人物だったからだ。
その人の周りには女の子達が集っている。
「あ、奈々ちゃんっ!」
「は、陽斗…」
頭から血の気が引く。
陽斗は私に気づくと、飼い主を見つけた犬のように私に駆けてくる。
…っっ!
ま、待ってっ待って!!
こっち来ないで〜っっ。
「…誰?知り合い??」
すると後ろから大ちゃんが顔をだした。
「…」
陽斗は大ちゃんの顔を見て、動きを止めた。
私と大ちゃんを見比べて一瞬悲しそうな顔をする。
…え…。
「えっと…、ば、バイバイ!!」
私は2人をおいて走り去ってしまった。
どうしろっての…!?
あんな状況無理だよ〜っっ。
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