コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 危険な猛獣(♂)拾いました。※プロローグ&文章書き直し。 ( No.29 )
- 日時: 2013/03/11 21:12
- 名前: 珠紀 (ID: CSYaft37)
「奈々ちゃんっ!」
奈々ちゃんに追いついたのは彼女が家に入る手前ぐらいだった。
「陽斗…、もう…学校に来ないで?」
奈々ちゃんが声を震わせながら言う。
「なんで?」
「なんでって…それはっ」
「あいつ…大がいるから?」
奈々ちゃんの言葉を遮って声を出す。
「彼氏…なの?」
「ち、違うよっ!!」
奈々ちゃんの顔が真っ赤に火照る。
その瞬間、さっきから警報を鳴らしていた何かが破裂した。
「…渡さない」
「えっ…」
俺は無理やり奈々ちゃんを家の中に入れ込む。
「な…に…!?」
ジタバタと暴れる奈々ちゃんを無視して、床に押し付けた。
「陽斗…」
奈々ちゃんの目には大粒の涙…声と身体は怯えるように震えていた。
「…怖い?」
奈々ちゃんは静かに首を縦に振る。
「…でもさ、奈々ちゃんが悪いんだよ?」
にこりと笑った後、俺は奈々ちゃんの首筋に顔を下ろす。
「ぃっっ…た」
俺は首筋に思いっきり噛みついた。
鈍い音と感触と共に噛みついたところから血が滲む。
「陽斗…っっ痛っ!痛いっ〜〜〜〜っっ」
そんな言葉をよそにガブガブと何度も同じところを噛みつく。
「ふぅ〜〜〜っっ!」
奈々ちゃんは涙を堪えながら俺の服の裾を掴んだ。
「ーーーっっ!」
俺は首筋から口を離し、奈々ちゃんの顔を見下ろす。
「ひっっ…く…」
俺は…何を、した…?
見下ろした奈々ちゃんの顔は泣きすぎて目が腫れぼったく赤くなっていて、今も尚ボロボロに泣きくじゃっていた。
完全に理性が切れてた。
「な、奈々ちゃん…ごめん」
「ひっっ…」
俺が奈々ちゃんに触れようとすると、ビクリと身体を震わせて怯えた。
「ーーっっ」
だけど、そんな奈々ちゃんを無理やり抱きしめる。
「ごめんー…ごめんっっ」
ポンポンと背中を優しく叩きながら謝り続ける。
…本当に俺はどうかしてた。
なんで、こんなことをしたのか…。
奈々ちゃんの首筋にはくっきりと俺の歯形と傷が残っていたーーーー…。