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Re: 危険な猛獣(♂)拾いました。〜彼は狼のようで〜100突破(泣 ( No.42 )
日時: 2013/03/17 20:22
名前: 珠紀 (ID: RblFco13)

「ゲホッケホッ」

突然ですが皆さん…私山田奈々は風邪をひきました。

「奈々ちゃん、今日休む?」

「ぅん…」

陽斗が心配そうに顔を覗かせる。

「じゃあ、俺は行くね」

「いってらっしゃ〜い…」

力ない声を出して私は陽斗を見送った。

「ぅ〜…つらいよぉ。」

風邪をひくと人が恋しくなるって言うけど…。

私は陽斗が出て行った玄関を見つめた。

…本当なんだな。

陽斗が学校に行ってから、無性に寂しくなった。

「ふ…ぅ〜」

途端に涙が溢れてくる。

頭もぼーっとしてきて、眠気も唐突に襲ってくる。

「ぅ……スー〜…」

私はそのまま眠りについた。






…あれから何時間が経ったか。

おでこがひんやりとして目を覚ました。

「ぁ…ごめん。起こしたか?」

目の前には心配そうな顔をした陽斗が見下ろしていた。

「はる…と?がっこ…は」

途切れ途切れで陽斗に話しかける。

すると陽斗は呆れたようにため息をついた。

「はー?学校?行く訳ないでしょ。奈々ちゃんが熱でてんのに…俺は冷えピタとか食材買ってきただけ」

「お金、は?」

「…俺さ、奈々ちゃんに拾われた捨て犬だけどお金は持ってるの。俺んち…一応金持ちだからさ。俺の通帳から取ってきた」

…やっぱりお坊ちゃんなんだ。

でもなんで家を出たんだろ…金持ちなら不満なんてないはずなのに。

じっと陽斗を見つめると、陽斗は笑って頭を撫でた。

「ってかさ、奈々ちゃん泣いてた?」

優しく目に手を当てられる。

「…寂しかった?」

「ぅん」

キュッと陽斗の服を掴む。

「…ぁーヤバい。熱出た奈々ちゃん弱いな〜、いつもこんだけ素直ならいいのに」

その言葉に少しムッとした。

…私はいつも素直ですっ。

それに気づいた陽斗はポンポンと頭を優しく叩く。

「ごめんごめん。今腹持ちのいいもん作ってるから、少しここから離れるよ?」

立ち上がろうとした陽斗を裾をつかんで静止した。

「…!?」

「…だめ。1人ぃや…」

また私のところに座り直す。

「わがまま言わないの」

ブンブンと首を横に振る。

「んー…ぁっじゃあこれ。これもって大人しく待っててね」

ふわりと陽斗の匂いがした。

ぁ…陽斗のパーカー。

私が買ってきたパーカーだった。

「ぅん。分かった」

ぎゅっとそれに抱きついて、返事をする。

「ははっっそれでいいんだ?んじゃあ大人しく寝ててな」

コクリと頷いた私に陽斗はまた優しく頭を撫でてくれた。