コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 危険な猛獣(♂)拾いました。〜彼は狼のようで〜200突破(泣 ( No.52 )
- 日時: 2013/03/22 21:21
- 名前: 珠紀 (ID: RblFco13)
〜大side〜
この頃山田にベタベタしてる転校生。
…あいつを見てると無性に苛々する。
山田とはどういう関係なんだ…?
山田と親しい男子は俺だけだと思っていた。
両親を亡くしたあいつをずっと見守ってきた。
辛いとき、苦しいときは俺に頼っても良いように…
だけど、あいつがきてから山田はおかしい。
俺を見てそわそわしたり、避けたりする。
…もしかして、あいつのことが好きなのか?
「…っっ」
胸が痛てぇ…。
俺はずっとあいつと出会った頃から片思いだ。
気持ちを伝えれてこの関係が崩れるのが嫌だった。
「…そんなの、俺が弱いだけなんだけどな」
それをあいつは一瞬にして山田を俺から引きはがしそうで…。
…怖い。
ずっと大切に想ってきた。
ー…あんな奴に、山田は渡せない。
「なぁ」
水泳の授業が終わり、男子更衣室に入るとすぐに鈴木が話しかけてきた。
「大ってさぁ〜…奈々ちゃんのこと好きなの?」
「…っっ!?ゴホッゴホッ…は!?」
水分補給していた俺は勢いよくむせかえる。
「………。お前こそどうなんだよ?いつも山田にベタベタくっついて、さっきだって俺は山田のとか言ってたじゃん」
「…奈々ちゃんは俺の一番のお気に入り。ただのね」
いつもの辛気くさい笑顔を俺に向ける。
「お前の笑顔…いつも嘘くせぇな…」
「そう?」
鈴木はそれでもずっと笑顔。
「…好きじゃないなら、ああいう態度止めろ。山田だって嫌がってる」
「嫌がってる?何でそんなの分かるの?大はただの幼なじみなのに」
「…っっ!!」
限界だった。
怒りで爆発しそうだった。
俺は鈴木の襟元を掴みロッカーに押し付けた。
「俺は…っっお前よりもずっと山田を見てきた。あいつが辛いとき苦しいときは側にいようと思った。お前なんかより俺の方があいつをっ!!!」
何かを口走りそうになり口ごもる。
「俺より…何?」
「…」
鈴木の襟元から手を離す。
「ー…とにかく、あいつに何かしたら…。…許さねぇからな」
俺はそう一言言って男子更衣室を出た。