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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 危険な猛獣(♂)拾いました。〜彼は発情期〜 ( No.6 )
- 日時: 2013/03/07 21:41
- 名前: 珠紀 (ID: CSYaft37)
「タオル…?」
「うん」
「…どうぞ」
私は鞄に入っていたハンカチを渡す。
「…」
だけどその男の子は受け取ろうとしない。
「あ、…ぁの…」
「ここで拭いたって意味ないよね…?」
男の子は大降りしている空を指差して呟いた。
…何?
家に入れろってこと…?
見ず知らずの…それも男を一人暮らしの女子高生の家にっっ!?
「…」
男の子はじっと私を見つめてくる。
そ、そんな捨て犬みたいな顔したって困るよっ。
「…」
だから、ダメだって…。
「…」
…〜〜〜っっ
「…中にあがってください」
…負けた。
私は男の子を中に入れると、タオルをダッシュで取りに行き勢いよく手渡した。
「どうぞっっ!」
そして早く帰ってくれっ!
心の中で念じながら、タオルを渡しても尚帰ろうとしない彼を見つめる。
な、なんで帰ろうとしないの…?
「決めた」
「へっっ!?」
唐突に大きな声をあげた男の子に驚く。
「俺、ここに住む」
…………………は?
「ぁの…住むとは?」
「俺…ここでお世話になります、よろしく」
今の状況を一言で表すと…
「意味わかんない」
声に出してしまった。
この男は馬鹿なのだろうか?
私は大きく開いた口を閉じることができなかった。
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