コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 危険な猛獣(♂)拾いました。〜彼は狼のようで〜300突破(泣 ( No.76 )
- 日時: 2013/03/26 13:24
- 名前: 珠紀 (ID: hqDEfpDX)
私達はゲームセンターに来ました。
「奈々ちゃん〜、欲しい物ある?俺がとってあげる」
陽斗が目を輝かせてユーフォーキャッチャーに張り付く。
「ぇ!?えっと、何でもいいよ?」
私はデートなんてしたこともないから…しかも3人で。
どうすればいいか分からない。
「んじゃあ、大!どっちが多くとれるか勝負」
「は?俺はそんなのやらない…」
「奈々ちゃんに喜んで欲しくないのか?」
「…やる」
2人は私を放っておいて、勝負を始めてしまった。
…2人とも子供みたい。
後ろ姿を見てふとそう思った。
大きい子供。
「ふふ…」
自然と笑顔になっていた。
その時、柄の悪い男の集団が私に近づいてきた。
「1人〜?俺らと遊ばねえ?」
「…1人じゃないです…」
「カーワイー〜怯えてんじゃん?」
近くにいた男が私の腰に手を回してくる。
「いっや…っっ!」
ぞわりと背筋がなる。
「触んじゃねーよ…クズ」
「痛てぇっ!!」
後ろから物凄い低い声が聞こえたかと思うと、私の腰に回っていた手がなくなっていた。
「奈々ちゃん、大丈夫?」
そこには笑顔の陽斗。
「陽斗…」
安心して力が抜けてしまってその場に座り込もうとした。
「おっと…」
それを大ちゃんが支える。
「ったく…お前はいつも危なっかしい」
「あ、ありがと…大ちゃん」
男たちは私達を見て少し後ずさる。
「なっっ男いたのかよ!なら…お、俺らはこの女に用はねぇよっ!」
男たちは逃げ出そうとする。
が…。
「はーい…待ってね〜?そういう問題じゃないんだぁ」
またもや笑顔で男たちを止めた陽斗。
「…奈々ちゃんに話しかけた時点でもうあんたらアウトなんだよ…」
「ひっっ」
只ならぬ陽斗の黒い空気に男たちもたじたじ。
「なぁ〜?大。奈々ちゃんに触ったこいつの手、折った方がいいかなぁ?」
「…いいんじゃないか?」
大ちゃんまでもそんなことを言い出す。
「は、陽斗っ!大ちゃんっ!止めてっっ?もういいからっ」
2人の腕をぎゅっと掴む。
「…」
「ぁ…」
真顔で私を見る陽斗。
顔を真っ赤にして私を見る大ちゃん。
2人の空気が軽くなる。
「奈々ちゃん、可愛い〜。可愛い〜、可愛い〜っ!」
急に陽斗はフニャッと顔を崩して私を軽々と抱き上げた。
「はぁ…心臓止まるかと思った………………可愛すぎ」
すぐに下に下ろされた私の頭を撫でる大ちゃん。
「????」
と、とにかく思いとどまったみたいで良かった。
男たちはそれを見るとそそくさと走って行った。
…この2人と今日一緒か。
…大丈夫かな?
不安が募る奈々であった。