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Re: 危険な猛獣(♂)拾いました。〜彼は狼のようで〜400突破(泣 ( No.87 )
日時: 2013/03/26 23:19
名前: 珠紀 (ID: hqDEfpDX)

「はい、これは陽斗と大ちゃんの分」

撮ったプリを三等分して陽斗と大ちゃんに渡す。

2人ともプリを見てそわそわし始めた。

「…どうしたの?」

「…ごめんね、奈々ちゃん」

先に口を開いたのは陽斗だった。

「?」

「俺ら、山田の誕生日なのに…喧嘩ばっかしで。…楽しくなかったろ?」

落ち込む姿が本当に小さい子のようだ。

「ふふ…」

いきなり笑い出した私を見て2人は不思議そうな顔をする。

「楽しかったよ、2人ともありがとね」

その言葉を聞いた2人はすぐに明るい顔になった。

「…そろそろ、暗くなる頃だし…帰ろっか」

「あ、じゃあ送ってく」

大ちゃんは私達と同じ方向に歩き出す。

「えっ!?待ってっ!大ちゃん」

「ン?」

大ちゃんと帰ったら確実に陽斗と暮らしてることがバレる。

「私は大丈夫!ほ、ほらっ陽斗に送ってもらうから!」

陽斗の腕をぐっと引っ張る。

「そーゆーことー」

陽斗は笑顔で大ちゃんを犬のようにしっしっと手で追い払った。

「…俺じゃなくて、鈴木がいいのか…?」

「え?…。」

ふと顔を上げると悲しそうな大ちゃんの顔が目に入る。

「あ…悪い。何でもない」

「大ちゃん…?」

「ごめん、帰るわ…。鈴木、山田を頼む」

「ぁ…」

何で?

何で、そんな悲しそうな顔をするの…?

さっきまで普段どうりだったのに…。

「待ってっ!」

とっさに大ちゃんの腕を掴んでしまった。

「ぁ…えっと。その…」

掴んだはいいけど、何を話せばいいか分からない。

陽斗と住んでることをバラすわけにもいかないし。

ど、どうしよう…。

「俺さぁ〜」

迷っているといきなり陽斗が声を出す。

「実は奈々ちゃんと同居してんだよね〜」

「…は?」

大ちゃんが目を見開いて私をみた。

私の思考が停止する。

目の前には、驚いた大ちゃん。

後ろには笑顔の陽斗。

バレてしまった。

いや…陽斗がバラしてしまった。

ど…して?